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そもそもこれは「やらせ」なのか? (九州電力問題-2)2011年07月31日 11時14分38秒

 そもそもこの問題、本当に『やらせ』なのだろうか。

 今回の件は、まとめると「賛成派が『組織的』に『賛成意見』を『一般人に成りすまし』て投稿した」だけに過ぎない。
 これを「やらせ」と言ってもいいのだろうか。

 「やらせ」とは、本来、報道その他メディア側が『仕込み』を行い意見を誘導することだ。
 その意味からすれば、今回の一件は明らかに『やらせ』ではない。

 にも拘らず、メディアだけでなくネットにおいても『やらせメール』として一人歩きしてしまっている。
 これは非常に問題があると考える。
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 では今回の件、問題はどこにあるのだろうか。

 「組織的に」メールを出したことだろうか。
 賛成派・反対派に関わらず「組織的に行動する」ことは許されないのだろうか。

 そんなことは無い。集団が組織的に行動を取ることは当然の行為だ。

 組織的な行動そのものが問題だというなら、ネットで「Aという意見を皆で表明しよう」と働きかけること自体、許されない。また市民団体が「組織的に」反対運動を行なうこと自体n許されない。それとも「一般市民は組織的行動を取ってもいいが、企業に所属するものが組織的行動を取ることは許されない」とでもいうのだろうか。
 それはあまりにもダブルスタンダードが過ぎるというものだろう。
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 また「賛成意見」を出したことだろうか。

 これもありえない。
 賛成・反対、いかなる意見を表明しようと、それは『人として』当然の権利であり「企業側だから」賛成意見を表明してはいけないという理屈は許されない。

 日本国憲法においても第21条において「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」定められた国民の権利であり、これは一般人だろうが企業に属している人間だろうが関係なく認められいてる権利だ。

 これを否定されるような事があれば、もはや「自由」と言うものはこの国に存在しなくなるだろう。
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 つまり、問題なのは残る一点だけということになる。

 それは「経済界・九州電力側としての行動」にも関わらず「一般人に成りすました」ということだけだ。
 自らの意見を表明するに当って「無関係の第三者に成りすまして」行なったという「身分詐称」行為が問題なのだ。
 これは当たり前だろう。

 「身分を詐称して」意見を言うのは自由だ、などという事はない。
 そもそも「身分を偽って」述べる人の、どこを信用できるというのだろうか。

 ネット社会においても、自らの立場を正しく述べた「実名」での発言こそが「発言に責任を持っている」ものとして扱われている。「匿名での意見」など、最後には「信頼できない意見」として扱われているのが普通だ。
 2チャンネルでさえ、「顔の判る」ソースの無い意見など信頼されない単なる「デマ」として扱われるのが普通だ。
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 結局、この件での問題は「成りすまし」という行為であって、「やらせ」という行為では無いということになる。

 そもそもこの件は「やらせ」ですらないのだ。

 にも拘らず、この一件を「やらせ」という言葉を使い表現しているマスコミの在り方は非常に問題であり、また、さらにはネットにおいても「やらせメール」という言葉が一般化してしまっていることには、非常に危険だと感じている。

 この問題は、「やらせメール」という言葉を使って意識を偏向させること無く、「成りすましメール」として正しく見極めることが、ネットにおいても必要だろう。

それでも再稼動「賛成」が4割いるという事実 (九州電力問題-3)2011年07月31日 11時46分32秒

 さて「成りすまし」自体は許されない事、としての意見を書いてきたが、ここで最後に「再稼動問題」そのものについて一度冷静に考えてみることがある。

 それは「実際の賛否はどの程度の割合なのか」ということだ。

 今回の一件、記事をよく読むと非常に興味深いことが分かる。

 記事では「賛成意見が286通、反対意見が163通」あり、そのうち「成りすましが判明したのは『141通』」だとされている。

 つまり「成りすまし」を除いて、純粋な賛否比較をすると

 総数:308通 賛成:145通 反対:163通
 賛成:47.1% 反対:52.9%

 という「賛否の差が殆ど無い」結果になるのだ。

 まあこの場合、「判明しなかった『成りすまし』もある」と言い出す人もいると思う。
 そこで、さらに「賛成145通」の中の2割程度「30通」が「成りすまし」だと仮定しよう。
 そうすると結果は次のようになる。

 総数:278通 賛成:115通 反対:163通
 賛成:41.4% 反対:58.6%

 実際、賛成派の「すべて」が「成りすまし」だなどという事はありえないだろうし、反対派自体、今回の説明会に対して原発反対派や一般人に向け「皆で反対表明をしよう」と働きかけているだろうから、この結果は、ある程度妥当な数字だと思う。

 つまり、「成りすまし」をしなくても『40%前後』の人間は「再稼動やむ無し」という判断をしていることになるのだ。逆に言えば「反対派」は多数派とはいえ60%程度しかいない、というになるのだ。

 更に言えば、ここには記されていない「どっちでもいい」派を加えれば、ほぼ「同比率」と考える事もできるだろう。

 確かに多数決で言えば「反対派」が勝利するのかもしれない。
 だが、6割程度、10人中6人しか反対していない状況で、これが「国民の一般的な意見」というのは甚だ問題があるのではないだろうか。

 反対派も、今回の一件について単に「成りすまし」を問題にすることで良しとするのではなく、自らの立場が実は国民内部においてそれほど支持されていないことを、十分に認識する必要があるだろう。

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 それにしてもこの一件、「成りすまし」が無くても「4割」は『再稼動賛成』なのだから、九州電力の行為はあまりにもお粗末な行為だったと言えるだろう。

『安易』なエネルギー政策の転換には「反対」 (九州電力問題 おまけ)2011年07月31日 13時30分23秒

 色々書いてきたがおまけとして。

 私自身が原発再稼動賛成派か反対派かと聞かれれば、私は「簡単に賛成・反対とはいえない」と答えている。

 「今の状況」で原発を将来にわたって永遠に利用し続ける事は反対だが、一方で、今ある「打開策」についても甚だ疑問を持っているからだ。

 私としては、『原発停止後』の『代替エネルギー』の確保と『確保できるまでのエネルギー消費の抑制』の見通し。
 そして一番重要な事として『再生可能エネルギー利用により、【新たに発生するリスク】』について、国民が正しく理解し意見がまとまるまでは『原発已む無し』と考えている。
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 今、脱原発派は『再生可能エネルギーの積極的活用』を『代替エネルギー』として勧めているが、これ自体、本当は『問題がない』と言い切れるものではない。

 例えば『風力発電』について言えば、風の『流れようとしているエネルギー』の一部を『風車を回すエネルギー』として利用するのだが、これを行なった場合、当然ながら『本来流れるはずだった風』の勢いを一部止めてしまうことになる。
 つまり「気流の流れを一部弱める」ことになる。
 その場合、「大気・気流への影響」がどの程度になるのか、その結果「気象変動」がどの程度起こるのか、その視点に立って考えて発言している人が殆どいないのが現状だ。
 もし「小規模な風力発電」でなく「国家規模」として大々的に行なうのであれば、「気流への影響」ひいては「天候への影響」について、もっと深く考えるべきだろう。
 また、日本だけでなく世界中で風力発電を行なうのであれば、世界中で更に大きな影響が出るものと考えるべきだろう。

『太陽光発電』についても同じ事がいえる。
 『太陽光エネルギー』を利用する以上『通常、自然界において消費されていた太陽光エネルギー』を「発電」に消費する事になる。
 この場合、「喪失したエネルギー」がどれだけ自然界に影響を与えるか、結果どれだけの問題が発生するのか誰も予測していないのが現状だ。

 昔からある『水力発電』についても同じだ。
 ダムにより「水の位置エネルギー・運動エネルギー」を一旦ストックし、その変動を利用する事により発電する。
 これが水力発電の仕組みなのだが、結果、中長期に渡り、下流域での生態系を変化させ多くの問題を引き起こしてきた事は、既に多くの事例として知られている。

 省略するが他の自然エネルギーも同様の影響がある。

 考えれば当たり前なのだが、『通常、自然界において消費されているエネルギー』を活用してしまう以上、『今まで使われていた自然界』にはエネルギーが届かなくなる。
 そうなれば、当然『環境に変化』が生じなくては理屈に合わない。

 「エネルギーが届かなくなる」のに「環境は変わらない」、こんな馬鹿な話はないだろう。

 「ちょっとした事」と笑うかもしれないが、これは、本来「バタフライ効果」なども含めてもっと慎重に考える必要がある事だ。

 実際、ペルー沖でエルニーニョやラニャーニャが起きるだけで日本や世界全体がダメージを受けることは既に十分に知られている。ならば「自然界のエネルギーを利用する」ということで「気象変動」をはじめとする「環境改変」を産み出すリスクについては、もっと真剣に考えるべきだろう。
 今までのように「ストックされたエネルギー」(化石燃料・ウランなど)を利用するのでなく「リアルタイムで流動している自然界のエネルギー」そのものを利用する以上、何かあれば「ダイレクト」に影響が発生する事も予測される。これらの事についても考える必要がある。

 「再生可能エネルギー賛成派」は、あまりにもこの部分を安易に考えすぎていると私は感じている。

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 やってしまってから「自然がボロボロになってしまった。だから今から取り戻そう」では明らかに遅い。
 それでは「水力発電」で「山や川」の環境が破壊され、「火力発電」によって「大気汚染」が進み、「原子力発電」によって「放射能廃棄物による汚染問題」と何ら違いがない。
 むしろ今回の場合、「放射能汚染」よりもより広範囲に多大な被害が発生する可能性も考えなくてはいけないだろう。

 今まで以上に、起きてしまってから『想定外だった』では済まない問題なのだ。

 実際、近年、異常気象が世界中で頻繁に発生し、日本でも今日新潟や福島での大災害が報道されている。
 環境改変による被害は、これら大災害を招きかねない。

 脱原発が世界中で騒がれているが、代替エネルギーとして再生可能エネルギーを利用した場合、『結果的』に環境改変を招いてしまうリスクがあり、それは今まで以上に地球全体に影響を及ぼしかねないほどであるという事を、もっと世界中が認識して考えるべきだろう。

 「再生可能エネルギー」が「クリーンなエネルギー」と言っているが、実は大規模な環境改変を招きかねない「最も危険なエネルギー」だという事を人は理解すべきだと思う。

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 参考だが、1977年に「環境改変兵器禁止条約」というものが結ばれている。
 これは「自然の作用を意図的に操作することにより地球(生物相、岩石圏、水圏及び気圏を含む。)又は宇宙空間の構造、組成又は運動に変更を加える技術」を軍事的に用いることは止めよう、という条約だ。

また国際共同制作ドラマだが、「スーパーストーム(全3回)」というものがある。
http://www.nhk.or.jp/frontier/schedule/20070915.html

 フィクションではあるが気象改変の危険性について非常に良く訴えている。
 ドキュメンタリーの解説部分も分かりやすくできているし。
 もし見る機会があれば、一度見てみる事をお薦めする。

 一応、アマゾンでも売っているようだけど、インターナショナルバージョンでドラマだけ、しかも権利関係で一部カットされているらしいのでこちらは意味が無い。

 ……というかNHKは、もう一度「スーパーストーム」を再放送してくれないだろうか。

 しょうも無い番組やるくらいなら「スーパーストーム」と、33カ国共同制作の「民主主義」をぜひやって欲しいのだが。

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 雑な言い方になるが、「人間が自然エネルギー・環境を容易にコントロールできる」などと考えるのは思い上りにも程があるのでは無いだろうか。
 推進派の意見を見る限り、「何様のつもり」だとしか言いようがない。

「未来は再生可能である
 ボン再生可能エネルギー会議2004 へ向けてのNGO 宣言」
http://www.cures-network.org/docs/cures_declaration_japanese.pdf

IPCC第3作業部会
「再生可能エネルギー源と気候変動緩和に関する特別報告書(SRREN)概要」
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/sr/srren.pdf

 今までの、「化石燃料の利用」による「危険な気候変動を回避」できると言っているが、じゃあ「再生可能エネルギーを利用」した場合に「【新たに】気候変動が発生するリスクは無いのか」ということについては、なんら言及していない。
 「今までは大丈夫だった」と言っているが、それは「小規模」・「限定的」な利用だったからでしかないのだがな。
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