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定額給付金は「悪」なのか? 22009年01月14日 00時12分54秒

さて、続きです。
思いつきでだらだら書いて言っているので、順序がバラバラだったりまとまっていなかったりするかもしれません。その点はお詫びします。

……できればそのうちきちんとまとめます。

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さて、まず単に「自民党がやる事だから駄目」「民主党が反対しているからおかしい」というのはおかしな話。

なので、「定額給付金」による効果をまとめます。

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1・定額給付金により「金銭的に」得をするのは誰か?

これは簡単。『もらえる人全員』です。

ただ「得」といっても元は税金。
本当は「払ったお金が返ってくる」だけです。
 制度的に近いものでは、「商品購入時のキャッシュバック」といったところでしょうか。

1-2・定額給付金を「負担」するのは誰か。

これも簡単。税金なので「国民全員」です。


1-3・結論:結局、損なのか得なのか?

「バラマキだ」なんだと批判されていますが、端的に言えば「全員キャッシュバック」の制度。
「自分で払った税金(所得税や消費税なども含め)が、自分に返ってくる制度」。
『それだけ』です。

ですので「お得」というのもどうか?とは思いますが、逆に言えば「原則、全員にキャッシュバック」ですので、『不公平』ではありません。

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1-3の2:じゃあ、効果はどこにあるのか?

・「1万2千円」、金額が大きいかどうかは別として「使う」とすればそれだけ消費が増えます。
「貯める」となれば、個人消費は増えませんが「貯めた人の資産」自身は増えます。
また預けた「銀行の資金」が増えます。預けた銀行の資金が増えれば、中小企業等へ振り分ける金銭や負債処理がやりやすくなります。

結果、「貨幣の市場流通量」自体は2兆円増えます。今、動いていない貨幣が流動化します。物品その他もより流動性が増します。

効果としてはこれが基本だと思います。

なお、市場流通量の方向性は「個々の国民の意思」によって決められます。
『何に使うか等どの方面に消費するか』は国民のそれぞれの意思で決められます。
これも重要だと思います。

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2・定額給付金を止めたらどうなる?

2兆円を国が使わない限り「市場流通量は増えません」。
したがって、他の策でも市場流通量を増やし流動性を高める事を主軸としないと、不況脱出策としては今ひとつでしょう。


では次に、「定額給付金と同額で他の策」を見たいと思います。
民主党の対案を例に取ります。

民主党の基本案としては、
1・貸し渋り・貸しはがし対策を含む中小企業対策
2・雇用の確保策
3・安心につながる医療をはじめとする社会保障政策
(4・学校などの耐震補強)
大まかに言えば上記3つ(4つ)です。


端的に言えば「資本を集中投下する事により局地的に激しい流動状態を作り、それを刺激として他の分野にも順次波及させていく」
という『従来型』の「一点突破、その後周囲に段階的展開」方式の経済対策です。

……まあ「理論上」は間違っていません。この手もアリです。

ただ現状での問題点としては「局地的に資本が投下される」という事により、
初期段階において「資本が投下されたところ」と「資本が投下されなかったところ」が生まれる事です。
そして「資本が投下されたところ」=潤沢・最初に回復。
「資本が投下されなかったところ」=貧困・回復が後回し。
という「格差」が確実に生まれます。

「順次」行うという基本方策ですから仕方が無いことなのですが、現状、全員が大なり小なり苦しい状況下において「まず救われる人」と「後回しにされる人」が生まれた時、この「順番」に国民は耐えられるのでしょうか?
ここの部分の同意を得ずに(隠して)話しをしているように感じられます。

……大体、「格差是正」と言ってますが、この方式は「新たな格差」を生む事になるのですが。この辺同考えているんでしょうね?

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では、これを各論ごとに見ていきます。


対策1・貸し渋り・貸しはがし対策を含む中小企業対策

1-1・得をするのは誰か?
当然、貸し渋りにあっている業者です。

1-2・貸し渋り対策金を「負担」するのは誰か。
「国民全員」です。

つまり
「『新たに』国民全員少しずつ出して、一部の貸し渋り・貸しはがしにあっている中小企業を助けましょう」こういう事です。

……まあ確かに、日本のほとんどの企業は中小企業ですので助ける事は必要です。
ですから考え方自体は否定できないでしょう。


1-3・「追加資本」は必要か?

私自身は「民主党の提案する追加資本」は現状特に必要ないと考えます。
なぜなら「既に様々な保障制度・対策が計画に上がっているから」です。

参考:
http://www.chusho.meti.go.jp/index.html
webサイト「中小企業庁」
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/download/21fy_yosangaiyou.pdf
平成21年度中小企業対策関連予算案等の概要

「すでに」20兆円枠の緊急保証制度、10兆円枠のセーフティネット貸付制度自体が述べられています。

この状況下で2兆円追加しても、保障制度の金額が積み増されるだけだと考えます。
「財源を増やした」からといって「対策が増える」訳ではありません。「対策に使える財源が確保される」だけです。
もし2兆円積み増しをしたとしても、総額30兆円の保証が32兆円に増えるだけです。
仮に積み増した2兆円が市場に出回らない(使われない)事になれば「無駄にストックを増やしただけ」という事になります。
「積み増した財源が確実に市場に出回る」という保証はあるのでしょうか?

 また、各地方自治体でも対策はすでに始まっています。
 十分とはいえませんが、まず「これらの対応の結果」を見てから「どれだけお金が足りないか」考えるべきでしょう。
 以上のことから、民主党が言う「中小企業対策費」としてこの2兆円を考えるならば、「既に施行されている対策の成果を見てから」不足分を投入、という形になるので、明らかに2兆円の市場流通が遅れます。

 結局、緊急対策としては、定額給付金より「遅い」・「効果が保証できない」・「必要性の低い」対応だと考えられます。

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対策2・雇用の確保策
 これが景気回復策になる理由が、まったく解りません。

2-1・基本方策
 予想するとすれば、この基本方策が目指すところは「今、無職となってしまった労働者」の人たちに「十分な金銭」または「職」を保証しようという事だと思います。


2-2・負担者・利益者はだれか

 「無職の人」に「普通の労働者」が少しずつお金を出して助ける、という構図です。

 努力して正社員で頑張っている人が、自分達の1万2千円を無職になってしまった人に分け与える、という構図です。

これは十分に納得できる事なのでしょうか?
この基本構図を説明することなく行う事に問題は無いのでしょうか?

根本的に論理がおかしいと思います。

まあ、構図そのものを責めてもしょうがないので、次はこの対策の問題を考えていきたいを思います。

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2-3・雇用対策の効果についての問題点

2-3の1・「雇用を増やしたから」といって「仕事が増える」訳ではない。

 当たり前です。「雇用した」と言っても「仕事がある」訳ではありません。
 元々、仕事があるなら解雇していません。
 国が金銭援助して、企業が「同じ金額」で二人雇える体制になったとしても、「二人分の仕事」があるわけではありません。
 結局、一人分の仕事を二人で行うのですから、「労働力」自体は無駄に浪費する事になります。
 

2-3の2・「失業者」が「給与を得た」からと言って、「定額給付金より消費が増える」訳ではない。

 総額は「同じ2兆円」です。ならば市場流通量が定額給付金の時より多くなる事も少なくなる事もありません。
 当たり前です。

2-3の3・利益を受ける人と利益を受けない人の「利益格差」が大きすぎる。

 「雇用対策」として使うとなると、「貰える」のは「無職の人だけ」です。
 つまり、一部の人だけが数十万単位の金銭を貰う事ができ、それ以外の人は一切貰えません。

「全員にバラマクのはおかしい。でも一部の人に集中的にバラマクのは構わない」
 雇用対策のために使うという事はこういう事です。

 これは正常な事なのでしょうか?


・基本認識の補足:雇用対策は本当に必要か

さて今の無職の人々。本当に職は無いのでしょうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000003-yom-soci
元派遣、再就職に“心の壁”…「接客苦手」職種にこだわりも
1月12日3時9分配信 読売新聞

読めば解ります。求人はまだあります。
ただ「自分の望む職業じゃないから」働かないだけです。

……ふざけているのでしょうか?
「自分がつきたい仕事」じゃないから嫌。「賃金が前より安い」から嫌。今の状況で、そのような事を言っていられる余裕があるのでしょうか?
このような「仕事を選ぶ」人間を助けるために、「仕事を選べない」正社員の人々が援助しなければいけないのでしょうか?

確かに雇用対策は必要だと思います。
ただそれは「本当に苦労している人」の為あって、「わがままを言っている」人の為では
無い。私はそう考えます。

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文字数が4000字近くなったので、今日はここまで。
残り3・4については、明日(とうかすでに今日)書く予定です。

……って、その3まで続くとは。
いつかきちんとまとめないとなぁ。

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