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「クレジットカードが使えること」を利点にすることは許されるのか2012年10月05日 00時13分09秒

厚労省の薬ポイント禁止、ドラッグストアは無視
読売新聞 10月4日(木)17時37分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121004-00001075-yom-bus_all

 厚生労働省は今月1日から、処方箋を出して薬局で薬をもらう保険調剤で、患者が支払う自己負担分に応じてもらえる調剤ポイントを原則禁止とした。
 これに対し、ドラッグストア業界が猛反発。クレジットカードなどで支払った場合のポイントは容認されているためで、ドラッグストアの業界団体は、国の規制の無視を公に“宣言”するなど、異例の事態となっている。
「公平性から見て、国の規制はどう考えてもおかしい」。日本チェーンドラッグストア協会(横浜市)の宗像守事務総長は、強い口調で国を批判する。
(中略)

 厚労省は9月14日、「薬局の選択はポイントの提供によるべきではない」とする通知を出し、10月から原則禁止とする姿勢を改めて強調。クレジットカードなどの扱いについても、「年度内をめどに検討する」とし、何らかの規制を設ける可能性を示唆した。
これに対し、同協会は9月19日、「(クレジットカードなどとの)平等性により、調剤ポイント付与継続は来年3月まで可能」とする独自の見解を発表。大手チェーンの多くがこれを踏まえ、10月以降もポイントの提供を続けている。

最終更新:10月4日(木)17時37分

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 「クレジットならポイントは付与されるが、現金でのポイント付与は禁止」という状況になれば、消費者の選択において「ポイントの有無」すなわち「クレジット可能か否か」が影響を及ぼすことになる。
 つまり厚労省自らが禁止したことを厚労省自らが推進しているという、何とも自縄自縛な政策だ。

 これは明らかにドラッグ業界の主張の方が正しいだろう。

 もし、これを「公平な制度」とするならば「クレジットポイントを廃止する」以外に無いだろう。
 実際、今、仮に強気に取り締まっても「クレジット制度を認めていること」による現金薬局の不利益について行政訴訟を起こされた場合、国が勝てる見込みというのは低い。そのため「取り締まらないように」という指示が出ていることもやむをえない。


 ……と、現状をまとめた訳だが、実はこの話、そもそもの点から考える必要がある。

 実は、ポイントの有無にかかわらず、元々「薬局でのクレジット支払」そのものに非常に問題があるからだ。
「今、現金で払わなくてよい」ということは「現金を準備する必要が無くなる」というだけでなく、消費者は「本来の支払額」分を決済日まで有効に使うことができることになる。つまり「利便性」だけでなく明らかに「経済上の利益」そのものを生み出していることになる。
 これは、健康保険法上の改正規則「経済上の利益の提供による患者の誘引の禁止」そのものに抵触する可能性が高い。

 また、クレジット加盟店になりクレジット契約を成立させるためには、薬局は「クレジット会社」に対し手数料を支払う義務がある。この手数料を「消費者」に負担を負わせるわけにいかない以上、「販売した薬の利益」そのものから薬局が自己負担することとなる。
 この場合、薬局は「同額の薬」を提供したとしても「手数料分」薬局が自己負担をすることになる。
 つまり「クレジット払い」が増えれば増えるほど、薬局は「公定価格から得られる正当な利益」そのものを減額しなければならないということだ。
 これは制度上定められた利益を薬局側は保てないことになる。
 また、この場合、薬局側としては、後決済でかつ手数料分負担しても経営が揺らがないほどの資金力が大きい薬局の方が有利ということになる。

 これでは「公定価格により平等性を保つ」という制度目的自体に反していることになるのではないだろうか。

 結局、どれだけ言いつくろおうが、「現金以外での支払手段」を可能とした時点で、厚労省の主張そのものが揺らぐ事態となってしまった。
 それが今回の問題の本質なのではないだろうか。

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