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なんのために創業したのですか?2008年01月10日 18時42分37秒

学研の地球儀から台湾が消えた? 中国が圧力「島」に変更
1月10日10時59分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000925-san-soci

「学研」(東京都大田区)グループが国内向けに販売した音声ガイド付きの地球儀が、中国政府からの圧力で台湾を単なる「台湾島」と表記していたという事件。

この中国の行為を「圧力であり問題だ」と考える人がいるかもしれないが、私からすれば文句を言う方が筋違い。
至極『当たり前』の事だと思う。

台湾の扱いについて言えば、中華人民共和国が昔から「自国の領土」と主張している事は国際関係を知る者からすれば誰もが知る事実だし、台湾が「国家」としてはまだ正式に認められていないという事も事実だ。

この状況で「中国内部」で製品を作っている以上、中国政府が「適正な表示を行うこと」と要求してきても拒否する権利自体、本来、学研側に存在しない。

これを「変だ」という人は、ローカルルールの原則を理解していないのだろう。

なぜなら、この件は見方を変えれば次のような状況を想定する事にもなるからだ。

 例えば、日本国内でアメリカや他国の正式ライセンス生産で「核兵器」を製造したとする。
 当然、日本国としては「非核3原則」に基づいて「核兵器の製造」をその業者に対し要求するだろうし、国外への搬出を抑えようとするだろう。
 一方、生産する企業からすれば「依頼した国からの正式なライセンスがある以上、作る権利がある。日本の法や主張は適用できないはずだ」と主張するだろう。

この時「使われるのは日本以外の国だから別に作られせても構わない」と、企業活動の正当性を認めるだろうか?

当然、このような主張は認められない事が、理解できるだろう。

それぞれの国にはそれぞれの法や社会理念があり、その国で活動する場合、活動する国の法に従わなければならないというのは、国際的理念上の常識だ。

したがって今回の一件も、その生産場所が中国国内である限り、中国の権利義務に従うのは当然であって、中国の主張が正しい。


さて、ではこの問題はどこにあるのだろうか?

私は「学研」が安易に「コスト削減」に走ったことに問題の本質があると考えている。

「安く生産できるから中国で」とコスト削減を考えることは、企業としては当然の事だと思う。しかし「コストを削減するため」といって欠陥商品を作って流通させても構わないという事はない。

 適当にでたらめな名前を書いた地球儀を「形があっているから別にいい」と販売した「おもちゃ」ならまだしも、このレベルでの地球儀ともなれば、日本国の地球儀として販売する以上、ここで書かれている地図内表記は「日本国ではこのように地名を認識している」として取り扱われるのが基本だ。
 にも関わらず、間違った地名などを教えることは、地図や地球儀製作会社としての社会的責任や製品に対する責任を全く無視したものだとしかいえない。
 これを「別紙で訂正メモを入れてあるからいいや」と考えるのは、明らかに製作企業としての考え方に問題がある。

『荒廃した日本を再建するには、次代を担う子どもたちの教育が最も大切だ』
学研トップメッセージ 代表取締役社長  遠藤 洋一郎 より抜粋

これが学研の基本理念のはずなのだが、その裏で、
『安く教材が作れるならば、教育も適当に間違った事を教えてもいい』
と考えていた学研グループ。

この考え方は教育産業企業として非常に問題があるのではないだろうか。

だが一方、これは学研だけの問題なのだろうか。

 今、日本の企業のほとんどが「利益があがれば、自社の企業理念そのものを踏みにじってても構わない」と考えているのではないだろうか。
 企業だけでなく、人の間にも「自分が経済的に得ならば、理念その他など『金にならないもの』は踏みにじっても構わない」。そんな風潮が蔓延していないだろうか。

 そんな事はない。という人もいると思う。
 だが、そのような人々に聞いてみたいと思う事がある。

「あなたの会社の理念はなんですか?」
「あなたの仕事は会社の理念を守っていますか?」

「あなたの理念はなんですか?」

コメント

_ 獣道 ― 2008年01月10日 20時54分49秒

なるほど!私などは単純に「またかよ中国は」のように捕らえていました
ちょっと感心してしまいましたのでコメントさせていただきますm( )m有難うございました

_ anonymous ― 2008年01月10日 22時55分35秒

ばかじゃないの?

_ 評ろく玉 ― 2008年01月11日 00時21分43秒

それだったら日中の領海線も中国の言いなりに線引きされていいわけですね。
チベットは中国領、南沙諸島も中国領、沖縄も中国領
なんでしょうか?
中国外の国で販売するものに中国のローカルルールを
適用する方がおかしいのでは?

_ TAKE(管理人) ― 2008年01月11日 00時50分59秒

コメントありがとうございます。

ただ、評ろく玉さんは根本的に勘違いしていると思います。
本文で書いたように「その国で活動する時は、その国のルール社会通念に従う」というのは、当たり前のことです。

もし、評ろく玉さんの言うような事を認めるとなれば、
「他国の人間が日本国内で製造する時も、日本国内で使われる事がなければ、日本国の法・ルールに従わなくていい」という事になります。
(中国では無視して、日本には従えというのは論外)

たとえ相手が嫌いな国であっても、国交を結んでいる以上、「国際活動の常識」は守らなければなりません。
その事を無視した場合、「その他の国との関係」においても国際的な信頼関係を損なうことになります。

今回の件について言えば、「中国政府が中国国内で生産・活動を行う企業に対して、中国のルールに従うよう要請してきた」事については批判する事自体がおかしい。

どこまでいっても、これが「当然の事」です。

_ TAKE(管理人) 追記 ― 2008年01月11日 00時57分02秒

>それだったら日中の領海線も中国の言いなりに
>線引きされていいわけですね。

「中国で作る」以上、当然です。
それが嫌なら「中国以外の国で」作ればいいだけです。

「他国で活動する時は、他国のルールに従う」
これがすべての基本です。

「どこの国にいっても日本のルール・思想を押し付けて活動して構わない」

それこそ、傲慢な考え方だと思います。

_ 日本が心配 ― 2008年01月11日 04時44分29秒

「台湾が「国家」としてはまだ正式に認められていな」とあります。 歴史を大事にする中国なら知っていて欲しい事ですが、大戦後「台湾」は国連の常任理事国でした。 中国の国力が増し、国連も中国を無視出来なくなり今度は中国が常任理事国となりました。
すなわち、国として認めるかいなかと言う問題は単に国家間の利害関係で成り立つもので永遠不滅の「真理」ではありません。 国家間の利害関係なのですから、今回の事に付いては中国が外交ルートを使ってクレームするのがルールだと思います。 今回の件で感じるのは「輸出させない」と一企業の弱みに付け込むやり方をした中国と言う国の対応に疑問と不快感を感じるのです。
そう、モラルの問題です。
管理人の方が企業のモラルを問いていますが、中国のやり方は正しいと言えるのでしょうか。

_ TAKE(管理人) ― 2008年01月11日 15時08分24秒

「日本が心配」さんコメントありがとうございます。

>国として認めるかいなかと言う問題は単に国家間の利害関係で成り立つもので永遠不滅の「真理」ではありません。

その通りです。

>国家間の利害関係なのですから、今回の事に付いては中国が外交ルートを使ってクレームするのがルールだと思います。

ここが違います。

国家間の問題ですが、「自国内でどのような製品を作ることを許可するか」は「国内問題」です。

「中国が不快・認める事ができない『製品』」を「中国国内で作る」事をした、学研そのものが問題だといっているのです。

>一企業の弱みに付けこむ
とありますが、中国の土地を借りて作ることを選んだのは学研です。
中国がむりやり作らせたわけではありません。

「他人の土地(中国)で、その土地の持ち主(中国政府)が嫌がる物を作る。本人にあげる(中国で売る)わけではないから構わないだろう」

あなた方が言っているのは、こういう事です。

「他人の場所で活動するなら、その人がノーという事は『その場所』ではしない」
国際ルールの基本と書きましたが、これは対人関係の基本ではないのでしょうか。

※ これが、学研が「他の場所で作った製品」に「不快だから中国工場の活動も許可しない」というのであれば、私も問題があると考えます。
ですが、今回の一件は、「中国で、中国政府の嫌がる事をした」という事が原因です。
ならば「中国が圧力をかけた」としても批判するのは筋が違います。

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