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「事業モデルの見直し」は得とは限らない(コンビニ考2)2009年07月18日 14時25分14秒

前記事の続き。

さて、ついでに述べておこうと思う。

 見切り販売等を導入する以上、今後、「コンビニシステム」の見直しが必要となってくるだろう。
 実際、多くの識者が同じように発言している。

 おそらく、これを聞くと「ほら良かったじゃないか」と安易に飛びつく人がいるだろう。

 だが、よく考えて欲しい。

 「事業モデルを再構築する」という事は、各店舗も「既存の販売方法」を再構築しなければならない、ということだ。
 「本部だけが変わって、自分達は変わらない」という事はありえない。

 コンビニエンスチェーンは、『利便性の提供』事業モデルに最適化することによって、今の各店舗販売・ネットワークシステムが構築されている。
 これを「再構築」するという事は、『利便性の提供』モデルを変更するという事に他ならない。

--------------
「再構築(リストラクチャリング)」とは、端的に言えば
「新しい方式にする代わりに、古い方式は捨てる」という事だ。

 結果、「今までの店舗経営」自体を「古い方式として」、オーナー自らも見直す必要が生まれるだろう。

 では、今まで、コンビニというスタイルで経営してきた各店舗オーナーは、この「再構築の波」に対応できるだけの能力があるのだろうか。
 新規モデルに対応できなかった、店舗はどうするのだろうか?

 はっきりいって、本部は切り捨てにかかるしかない。。
 ついてこれないのだから仕方がない。当たり前の事だ。
 ついてこれない存在を抱えるのは、企業努力として間違っているのだから。
 そもそも、「コンビニスタイル」の店舗を、新たなモデルに乗せかえる義務など、本部にはない。
 あくまで「コンビニスタイル」の提供しかFC契約では存在していないのだから。

 うまくいきそうな店舗・オーナーには「乗り換えませんか」という話はするだろう。だが、「うまくいきそうにもない」店舗には、「今までどおりコンビニで頑張ってください」としか言わないだろう。

この時、残された店舗はどうなるのだろう。
「対応できないのだから補償をよこせ。」 とでもいうのだろうか、

……今までの方式に反対したのは自分達の方だというのに。

---------
 昔、「個人店舗」や「土地が余っているから」という事で、自分達は
 新たな「コンビニ」という事業モデルを採用した。

 今度は、「コンビニ」という事業モデルが古くなったから、
 という事で新たな「新モデル」を採用できるのか。

 これが、今後は問われていく。
 当然、問われているのは「本部」ではなく「各店舗の能力」そのものだ。

……対応できなければそこで終わり。
 自己責任という事が、今後さらに要求される事となるだろう。

コメント

_ ぴろ ― 2009年08月25日 20時51分54秒

実際にコンビニ経営をしているものです。毎回ブログを読ませていただいています。最近セブンイレブンの記事が多くなってきました。実際に値下げなどを行わない経営者からすると、非常に迷惑な話です。
ただ、今回の値下げ問題で大きく取り上げられていない側面があります。販売期限に迫ってきた弁当を値下げするのは、一部でであってもそれを買っていくお客様のためでもあるでしょう。しかし、報道されているような値下げは実態ではありません。500円の弁当を販売期限になったら1円に値下げする。1円の弁当を経営者が全部買うか、廃棄にする。と言うことを行っている店舗があったということです。
通常ならば500円の弁当を廃棄すればその原価(たとえば350円)を経営者は負担することになります。それを1円にしてしまうことで、月に50万以上と言われている廃棄に関わる経費を限りなく0にしてしまおうとする店舗があるのです。それは、単純に毎月50万円なりの利益が出るのは当然ですね。結局のところ「お客様のため」を謳っておきながら、それを経営者の利益のために利用しているだけなのです。

_ TAKE(管理人) ― 2009年08月29日 21時05分58秒

ぴろさん、実際にコンビニを経営されている方からのコメントありがとうございます。

 私としては、この手の問題をマスコミのお涙頂戴記事に乗っかって1面的に捉えるのは非常に問題があると思っています。

 実際にぴろさんの言われるような側面もありますし、消費者自身が「消費者にとって『コンビニに求めるもの』」を勘違いしているフシもあると思います。

 特に、他の記事でもコメント合戦となってしまったのですが、
「本部と店舗」間の『契約関係』 と
「各店舗と消費者」間での『提供するサービス』
さらには「本部と消費者」間の 『全体戦略』等
を分けずに考えている人が多く感じられます。

経営不振に陥っている店舗についても、
それが「本部と店舗」間の契約に問題があるのか、
「当該店舗と周辺消費者」との間の、サービスに対するニーズ・需要供給関係 に問題があるのかを正しく把握しなければならないのに、「店舗が経営不振なのは、本部が悪いから」という一点張りでいうオーナーと同調者が大声で叫ぶだけ。

この状況で、改善などできるはずもないのではないでしょうか。(一旦、本部をへこませて利益が上がったとしても、自店舗の『経営改善』を自分達が考えていない以上、いずれ衰退するだけでしょう)

 ロスチャージについても(私は、これをロスチャージと呼ぶ事自体が間違った理解の原因だと思っています)正しく、仕組みを理解してから契約すれば問題はなかったはずです。
 これを「説明を受けていないから」などと言うのは、大きな間違いですし、甘えすぎです。

 自分達が新規参入する以上、その業界の情報を掴み考えるのは、事業者としての最低限の義務です。

 それを怠り、「本部が説明した事」だけを鵜呑みにして開業する。それでは『バカ』業者と呼ばれても仕方が無いと思います。

 弱者を救うと言えば、心地よい言葉ですが、「他人に頼るだけ」で自分達は努力をしない(見当違いの努力しかしない)バカを弱者と呼んで助けようとするのは、より多くの一生懸命頑張ってうまく生きている人たちを踏みにじる行為だと私は思っています。

_ ぴろ ― 2009年08月30日 23時34分26秒

お返事ありがとうございます。
全くそのとおりだと思います。
自分のお店の売り上げが悪いのが、あたかも本部のせいであると考えている人たちが極一部いるようです。
チェーン店であろうと、なかろうとそのお店はそのお店の経営者の責任であるはずです。
その責任の所在を本部へもって行き、結局のところお客様のことは考えていないところが悲しく感じます。
マスコミでも報道されているように、非常に大きな問題となっています。
日々一生懸命経営に励んでいる大部分のお店の経営者がどれだけ迷惑をこうむっているか・・・。
チェーン全体のイメージとともに利益を損ねないことです。商売をやっている以上、お客様の立場に立ってもっと考える視点もあると良いのですが。。。

*いつも拝見させていただいています。
 読んでいて共感できることが多く、楽しんで読ませていただいています。
 これからも頑張ってください!

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