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「スーパーに学ばない」コンビニ達 ― 2009年07月18日 12時43分27秒
セブン-イレブン、弁当値引きを容認
7月18日3時9分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090718-00000096-yom-bus_all
さて、この話題。
先日の記事コメントで口論になっていたが、まあ公取委から排除命令が出ている以上、「見切り販売に関するルール・資料」を作る必要はある。
なので、別段、特別な事とはいえないが…
本部の苦労が目に見える。
「状況を理解できない人たち」っていうのは、困ったものだ。
まあ「素人に起業させてしまった」時点で、本部も馬鹿だったという以外にないのだけど。
結局、これが「自店舗を圧迫する」という事に気がついていないところが加盟店側が『素人集団の集まり』だというところだろうか。
さて、こう書くと「困っている店舗側の気持ちが判らない傲慢な人だ」などと書かれてしまうかもしれないが、これは「見切り販売の問題点」を理解もしないで、適当な理屈をひねり出して『俺達は努力している』というだけの人たちなのでしょうがない。
--------
「コンビニに弁当を買いに来る客」とは、どのような人たちか。
これをまずは理解して欲しいと思う。
彼らは、ほとんどが「コンビニに来てからついでに買おうと思う」のではなくて、最初から「購入目的」で来ている客だ。しかも来る時点で「予算が決まっている」。
つまり、見切り品であろうが正規品であろうが、「ある程度の額まで」弁当その他を購入しようと思って最初から来店する客だ。
では、ここで見切り品を販売した場合どうなるだろうか。
単純に「正規品を買う予定」が「見切り品の購入」にシフトするだけ。
結局、正規品の利益が、見切り品の利益に減少するだけでしかない。
これで、どうして「利益が増える」といえるのだろうか。
--------
「見切り品」を購入して、余ったお金で「他の品も買う」はずだ。
だから利益が減る事はない。
こういうかもしれない。
確かに、正しいだろう。
だが、考えて欲しい。
「品数が増える」という事は、コンビニ側の在庫数も増やさないといけないのだ。
この場合、配送・在庫管理コストが増大するのは誰にでも理解できるだろう。
「たくさん売れる」ためには「たくさん在庫を持って」いないといけない。
「たくさん売れる」という事は、必ずしも利点じゃない。
「同じ売上」なら「品数が少ない」方がメリットは高いのだ。
見切り品販売で同じ売り上げを上げようと思ったら、
「他の商品で品数を増さなければいけない」。
これは、実は『在庫管理負担を増やす』(利益を減らす)デメリットなのだ。
----------
「見切り品」を販売したら、正規品購入客以外で客が増えるはずだ。
だから大丈夫だ。
こういう意見もあるだろう。
だがこの意見は、「コンビニに来る客」の性質を理解していない。
消費者が使う「コンビニ」というのは、消費者の行動半径で決まる。
「わざわざ近くにコンビニがあるのに、遠くのコンビニに行く客はいない」ということだ。
結局、「行動半径・行動経路内にある複数の対象から、購入先コンビニを決定する」というのが普通のスタイルだろう。
したがって、コンビニの場合「立地条件」でほぼ潜在的客数が決定する。
「安売りにしたからエリア内の人数が増える」というわけでもない。
結局、購入する人数自体は変わらない。
結果は、先に述べたとおり正規品であげた利益が見切り品であげた利益にとって代わるだけでしかない。
-----------
ただ、「行動半径内で複数の店舗」から選択する以上、「見切り品」を販売するという事は、アドバンテージになる可能性はある。
「見切り品がある間」は「他店舗購入者」が安さによって流れてくる可能性はあるだろう。
ここで賛同者は『ほら見ろ、やっぱり増えるじゃないか』と高笑いをするかもしれない。
確かに一時的には増えるだろう。
だが、『その後』はどうなるだろうか?
「減ったコンビニ」側はどうするだろうか?
当然、減った分相手側の「搬入時間」に「廃棄ロス」が大量に発生する。
この廃棄ロス、そのまま正規販売をして捨てるのだろうか?
いや違う。相手側も「見切り品販売」を開始するだけだ。
(ここが最重要)
すると今度は「相手の見切り品」と「こちらの正規品」がぶつかる事になる。
この時点で、今度は「こちらの正規客」が「相手の見切り品」に流れ出す事になる。
結局、「総客数」自体は元に戻るのだ。
だから、まったく得をしない。
※
『自分の所の見切り品には客が流れてくるが、相手の見切り品には客が流れない』
『見切り販売は自分達だけが行って、相手はできない』
などというのは、客観性を無視した思考なので論外。
-----
ここまで書いてきて、重要な事は、
「見切り販売をした場合、客数が増える」という安易な考え方が根底にあることだ。
客数が増えるというなら、その客は「どこから来たのか」
また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」
ここをきちんと考えて冷静に判断するべきだろう。
冷静に考えれば「客数が増える根拠にならない」という事に気づくだろう。
------
では、今「見切り販売は得だ」と言っているオーナーは なぜ「私達は利益が出ている(コストが削減できている)」と声高に言えるのか?
それは次の理由からだ。
・『自店舗だけ』が見切り販売を行っているから。
言い換えれば、
他店舗に対して「自店舗だけ」が抜け駆けで見切り販売を行っているから、だ。
だから「自分の見切り品」で「他店舗の正規品客」を奪う事ができる。
「自分の正規品客」が「他店舗の正規品」に喰われる事はない。
結局、自他との間にある「価格差」が利点となっているだけだ。
だが、これは「自店舗だけが行っている」事が絶対の条件だ。
全店舗が行うようになれば、その時点でアドバンテージが失われる。
もしアドバンテージが失われたらどうなるだろうか?
結局「全店舗が見切り販売を解禁する」となれば、
今、見切り販売で利益をあげている店舗は、元の「不採算店舗に戻る」だけだろう。
--------
今、コンビニは数が多くなりすぎている。
その中で、各店舗どうし「正規品利益」だけでやりあっているのが現状だ。
これを見切り販売を導入したとしても
「見切品によって減少した利益」分だけ、体力がなくなった状態で、他店舗とガチの勝負をするしかない。
今まで以上にキツイ我慢比べが始まる事だろう。
その結果、不採算店舗は増大しより多くの店舗が潰れていく。
それは「今よりも良い状況」といえるのだろうか?
消費者の側も、行動半径内にあるコンビニが減った時「コンビニを選ぶ権利」を失った時、それでも『良かった』というのだろうか。
--------
「価格破壊による我慢比べ」がどれだけ問題を抱えているのか、
それは、今のスーパーマーケット戦争・シャッター商店街問題を見ていれば、誰にでも判ることなのに、それを助長するがごとき「コンビニの価格破壊」。
それがどういう意味を持つのか、もっと加盟店側も消費者側も考えるべきだろう。
---------
ちなみに、この話、詳しく聞くと公取は「全面解禁」を望み、セブンイレブン側は「部分解禁」に留めたい。ということらしい。
「全面解禁」は「店舗全員共倒れ」に繋がるから、絶対に認められないのだけどね。
公取委も『コンビニが提供しているモノ』を理解せず、単なる「販売店」と見ているから、未だに要求しているのだろうね。
(というか、国民が理解もせずに値引きを求めているから、仕方ないのかもしれないが)
--------
--------
さて、最後にもう一度書くが、
この問題、「見切り販売をした場合、客数が増える」という事が前提として必要になる。
客数が増えるというならその客は「どこから来たのか」
また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」
ここをきちんと考えて、反論を述べてもらいたいと思う。
単に「安くなるからいいんだよ」「俺達消費者には関係ない」という事で、反論するのであれば、今書いてきた「コンビニの経営」に対しての反論じゃないので、それは別に論じる必要があるだろう。
特に「本部側がロイヤリティーでぼったくっているのが悪い」というような意見については、”ぼったくり”と「見切り販売」は全く異なる話なので(見切り販売をしたところで”ぼったくっている”という状況は変わらない)、まったく「的外れな反論」というしかないだろう。
-------
ホントは、もっとまとめた文章を書いている最中なのだけど、今、タイムリーな話題なので、ここだけまとめて急ぎアップ。
補足記事「事業モデルの見直し」は得とは限らない(コンビニ考2)
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/07/18/4443449
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参考自記事:
1・コンビニとは何か?を問い直す問題だろう。
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385518
2・「エコ」でなく「エゴ」…消費者の
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4386157
7月18日3時9分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090718-00000096-yom-bus_all
さて、この話題。
先日の記事コメントで口論になっていたが、まあ公取委から排除命令が出ている以上、「見切り販売に関するルール・資料」を作る必要はある。
なので、別段、特別な事とはいえないが…
本部の苦労が目に見える。
「状況を理解できない人たち」っていうのは、困ったものだ。
まあ「素人に起業させてしまった」時点で、本部も馬鹿だったという以外にないのだけど。
結局、これが「自店舗を圧迫する」という事に気がついていないところが加盟店側が『素人集団の集まり』だというところだろうか。
さて、こう書くと「困っている店舗側の気持ちが判らない傲慢な人だ」などと書かれてしまうかもしれないが、これは「見切り販売の問題点」を理解もしないで、適当な理屈をひねり出して『俺達は努力している』というだけの人たちなのでしょうがない。
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「コンビニに弁当を買いに来る客」とは、どのような人たちか。
これをまずは理解して欲しいと思う。
彼らは、ほとんどが「コンビニに来てからついでに買おうと思う」のではなくて、最初から「購入目的」で来ている客だ。しかも来る時点で「予算が決まっている」。
つまり、見切り品であろうが正規品であろうが、「ある程度の額まで」弁当その他を購入しようと思って最初から来店する客だ。
では、ここで見切り品を販売した場合どうなるだろうか。
単純に「正規品を買う予定」が「見切り品の購入」にシフトするだけ。
結局、正規品の利益が、見切り品の利益に減少するだけでしかない。
これで、どうして「利益が増える」といえるのだろうか。
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「見切り品」を購入して、余ったお金で「他の品も買う」はずだ。
だから利益が減る事はない。
こういうかもしれない。
確かに、正しいだろう。
だが、考えて欲しい。
「品数が増える」という事は、コンビニ側の在庫数も増やさないといけないのだ。
この場合、配送・在庫管理コストが増大するのは誰にでも理解できるだろう。
「たくさん売れる」ためには「たくさん在庫を持って」いないといけない。
「たくさん売れる」という事は、必ずしも利点じゃない。
「同じ売上」なら「品数が少ない」方がメリットは高いのだ。
見切り品販売で同じ売り上げを上げようと思ったら、
「他の商品で品数を増さなければいけない」。
これは、実は『在庫管理負担を増やす』(利益を減らす)デメリットなのだ。
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「見切り品」を販売したら、正規品購入客以外で客が増えるはずだ。
だから大丈夫だ。
こういう意見もあるだろう。
だがこの意見は、「コンビニに来る客」の性質を理解していない。
消費者が使う「コンビニ」というのは、消費者の行動半径で決まる。
「わざわざ近くにコンビニがあるのに、遠くのコンビニに行く客はいない」ということだ。
結局、「行動半径・行動経路内にある複数の対象から、購入先コンビニを決定する」というのが普通のスタイルだろう。
したがって、コンビニの場合「立地条件」でほぼ潜在的客数が決定する。
「安売りにしたからエリア内の人数が増える」というわけでもない。
結局、購入する人数自体は変わらない。
結果は、先に述べたとおり正規品であげた利益が見切り品であげた利益にとって代わるだけでしかない。
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ただ、「行動半径内で複数の店舗」から選択する以上、「見切り品」を販売するという事は、アドバンテージになる可能性はある。
「見切り品がある間」は「他店舗購入者」が安さによって流れてくる可能性はあるだろう。
ここで賛同者は『ほら見ろ、やっぱり増えるじゃないか』と高笑いをするかもしれない。
確かに一時的には増えるだろう。
だが、『その後』はどうなるだろうか?
「減ったコンビニ」側はどうするだろうか?
当然、減った分相手側の「搬入時間」に「廃棄ロス」が大量に発生する。
この廃棄ロス、そのまま正規販売をして捨てるのだろうか?
いや違う。相手側も「見切り品販売」を開始するだけだ。
(ここが最重要)
すると今度は「相手の見切り品」と「こちらの正規品」がぶつかる事になる。
この時点で、今度は「こちらの正規客」が「相手の見切り品」に流れ出す事になる。
結局、「総客数」自体は元に戻るのだ。
だから、まったく得をしない。
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『自分の所の見切り品には客が流れてくるが、相手の見切り品には客が流れない』
『見切り販売は自分達だけが行って、相手はできない』
などというのは、客観性を無視した思考なので論外。
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ここまで書いてきて、重要な事は、
「見切り販売をした場合、客数が増える」という安易な考え方が根底にあることだ。
客数が増えるというなら、その客は「どこから来たのか」
また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」
ここをきちんと考えて冷静に判断するべきだろう。
冷静に考えれば「客数が増える根拠にならない」という事に気づくだろう。
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では、今「見切り販売は得だ」と言っているオーナーは なぜ「私達は利益が出ている(コストが削減できている)」と声高に言えるのか?
それは次の理由からだ。
・『自店舗だけ』が見切り販売を行っているから。
言い換えれば、
他店舗に対して「自店舗だけ」が抜け駆けで見切り販売を行っているから、だ。
だから「自分の見切り品」で「他店舗の正規品客」を奪う事ができる。
「自分の正規品客」が「他店舗の正規品」に喰われる事はない。
結局、自他との間にある「価格差」が利点となっているだけだ。
だが、これは「自店舗だけが行っている」事が絶対の条件だ。
全店舗が行うようになれば、その時点でアドバンテージが失われる。
もしアドバンテージが失われたらどうなるだろうか?
結局「全店舗が見切り販売を解禁する」となれば、
今、見切り販売で利益をあげている店舗は、元の「不採算店舗に戻る」だけだろう。
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今、コンビニは数が多くなりすぎている。
その中で、各店舗どうし「正規品利益」だけでやりあっているのが現状だ。
これを見切り販売を導入したとしても
「見切品によって減少した利益」分だけ、体力がなくなった状態で、他店舗とガチの勝負をするしかない。
今まで以上にキツイ我慢比べが始まる事だろう。
その結果、不採算店舗は増大しより多くの店舗が潰れていく。
それは「今よりも良い状況」といえるのだろうか?
消費者の側も、行動半径内にあるコンビニが減った時「コンビニを選ぶ権利」を失った時、それでも『良かった』というのだろうか。
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「価格破壊による我慢比べ」がどれだけ問題を抱えているのか、
それは、今のスーパーマーケット戦争・シャッター商店街問題を見ていれば、誰にでも判ることなのに、それを助長するがごとき「コンビニの価格破壊」。
それがどういう意味を持つのか、もっと加盟店側も消費者側も考えるべきだろう。
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ちなみに、この話、詳しく聞くと公取は「全面解禁」を望み、セブンイレブン側は「部分解禁」に留めたい。ということらしい。
「全面解禁」は「店舗全員共倒れ」に繋がるから、絶対に認められないのだけどね。
公取委も『コンビニが提供しているモノ』を理解せず、単なる「販売店」と見ているから、未だに要求しているのだろうね。
(というか、国民が理解もせずに値引きを求めているから、仕方ないのかもしれないが)
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さて、最後にもう一度書くが、
この問題、「見切り販売をした場合、客数が増える」という事が前提として必要になる。
客数が増えるというならその客は「どこから来たのか」
また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」
ここをきちんと考えて、反論を述べてもらいたいと思う。
単に「安くなるからいいんだよ」「俺達消費者には関係ない」という事で、反論するのであれば、今書いてきた「コンビニの経営」に対しての反論じゃないので、それは別に論じる必要があるだろう。
特に「本部側がロイヤリティーでぼったくっているのが悪い」というような意見については、”ぼったくり”と「見切り販売」は全く異なる話なので(見切り販売をしたところで”ぼったくっている”という状況は変わらない)、まったく「的外れな反論」というしかないだろう。
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ホントは、もっとまとめた文章を書いている最中なのだけど、今、タイムリーな話題なので、ここだけまとめて急ぎアップ。
補足記事「事業モデルの見直し」は得とは限らない(コンビニ考2)
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/07/18/4443449
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参考自記事:
1・コンビニとは何か?を問い直す問題だろう。
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385518
2・「エコ」でなく「エゴ」…消費者の
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4386157
コメント
_ yutakarlson ― 2009年07月19日 18時08分44秒
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こんにちは。セブンイレブンの弁当の値引きが解禁になるようです。しかし、私は、この値引き、たとえば、ある時間になると一斉に商品が値下げして顧客がそれを予定できる、ということにはならないと思います。そうなってしまえば、お惣菜は、セブンイレブンの稼ぎ頭にはならなくなってしまうと思います。おそらく、運がよければ、たまたま買えるという程度だと思います。安易な値下げは、商売としては下等な部類だと思います。今回、役所が行ったことは、結局、値下げを主張してきたオーナーたちにとっても良いことにはならないと思います。お役所仕事とは、所詮このようなものです。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。