この記事を多くの人に読んでもらいたい!!そう思ったら『人気ブログランキング』押してください

『秘密』の意味を理解していなかった司法修習生2008年06月19日 13時27分51秒

ブログに容疑者の様子など掲載、司法修習生に守秘義務違反の疑いも
6月19日11時25分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000014-yom-soci

さて、この話。
「業務上知りえた情報を秘匿しなければならない」という守秘義務の話なのだが、うっかり「守秘すべき情報」『そのもの』を書いてしまった司法修習生の「うかつさ」は当然非難されるべきだけど、この事により、「情報」そのものが流れづらくなる(自粛という名の事なかれ主義の)危険性には注意が必要だろう。

----
私達も「守秘すべき業務情報」というのはある。
だが、同時に業務中に知りえた情報で「広く一般に知った方がよい情報」というのがある。

例えば、ある依頼があった時、その背景等を調べている最中に「一般的にみても起こりうる問題点」などが出てきた場合だ。

「AによってBが発生した」ここは個人的な情報だが、
そこから
「αによってβが発生する」と理論付けられる場合だ。

この時、α to β は元となる A to B を知らなければたどり着く事ができない理論であり、A to B という「守秘すべき業務情報」から派生した「一般情報」となる。

----
ここで、自粛ムードが高まりすぎると、
「元となる部分が『守秘情報』であるため、『一般適用できる情報』も守秘した方がいいのではないか?」という論理が出てくる事がある。

これは危険な事だと思う。

世の中の情報は「個々の人」が「個人的に知りえた情報」を集積した事により一般化される事が普通だ。
ここで「元の情報」が「個人的情報」だから、といって派生した「一般化情報」までを制限すれば、ほとんどの情報にストップがかかる可能性がある。

なので、この『守秘義務だから』という言葉での制限にも、今後、注意して考える必要があるだろう。

---
これは、私達の中でも見られるのだが、よく「守秘義務回避」のために、情報の一部を黒塗りした「断片情報」を使う人がいる。

今回の司法修習生も
>「途中から説教しまくり。おばあちゃん泣きまくり」
などと、特定できないように「断片情報」としている。

ところが、この「断片情報」が曲者。
断片情報を2~3並べたら、誰でも簡単に「特定」できるような、甘い隠し方をしている人が多い。

このあたり、『情報の使い方・出し方』を本来学ばせるべきだろう。

自ら知りえた『守秘すべき情報』については、
「断片情報」でなく、特定性を薄めた「一般情報」を使うように指導する。
これが『守秘義務の徹底』と同時に学ばせておく必要があると考える。

ここをせずに「守秘義務だから」と制限ばかりに目が行くようになれば、「必要な一般情報」すら出てこなくなりがちになり、社会にとっては、余計に不利益となりかねないのだから。

----
まとめ:「守秘情報を漏らすなんて」と憤る事は判るのですが、

「守秘情報」(業務で知った情報)と「守秘しなくてもいい情報」(派生した一般的情報)の線引きをしないまま、憤っていると大変な事になると思います。

……とはいえ、問題の司法修習生の情報は「守秘情報」の範疇に該当すると私も思います。

(もう少し、特定情報を薄めるなりなんなり工夫しないと駄目)
(というか、これが元々「発信すべき情報」なのかどうか考えないと駄目)
(個人的趣味や主張などの情報でもないし、業務として考えた場合、発すべき情報でもない。ただの「ネタ」。
それではダメダメだろう。)

このあたり「公人」の「公的情報」と「個人情報(プライベート)」の使い分けと同じように、元来、ずっと語られていることですね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
次の数字を打ち込んでください「3003」

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2008/06/19/3585389/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

この記事を多くの人に読んでもらいたい!!そう思ったら『人気ブログランキング』押してください