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局地的勝利は小沢、戦略的勝利は…2008年08月30日 02時53分51秒

姫井の馬鹿ッぷりにあきれたので、前回ぐだぐだな内容を書いてしまいましたが、今回は、多少きちっと抑えていきましょう。

「改革クラブ」が会見 自民からの資金提供は否定
8月29日21時5分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000967-san-pol

まず、「岡山の馬鹿姫様」についてちゃんと書くならば、
「岡山地元県連」を小沢が動かして姫井を強引に翻意させた。
というのが正解でしょう。

昨日の記事のコメントで
>_ 映画悲報 ― 2008年08月29日 21時52分27秒
>その場の思いつきですぐ動くって違いますよ。
>これは策士小沢らしい自民党への嫌がらせですよ。
>まず、マゾ姫井が抜けることで、渡辺の改革クラブは議員5人の規定に達せず政党として認定されない。次に民主党分裂をおこすために渡辺に毒饅頭を食わせた麻生、二階(&ナベツネ)は大恥をかく。そして渡辺は国民からの信頼を失う。姫井は次の参議院選挙では落ちる三流議員ですが、自民党へダメージを与えるのには使えるわけです。
>今頃麻生さんと二階さんは苦虫を噛んでいることでしょう。

と、面白い見方をされた方がいますが、実際、このように考える人って多いのでしょうか?
私としては、まったく違う見方になるのですが。

元々「策士小沢代表の嫌がらせ」というよりも、
豪腕小沢代表が「後追い」の対応で「離党宣言が出てから、豪腕を使って翻意させた」という方が正解でしょう。

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本来、今の状況であれば、離党自体、絶対にさせません。

 今の民主党は、小沢代表が豪腕によって無投票3選が本決まりになってしまった事により、その独裁ぶりによって党内部で様々な不満が広がり始めています。しかも、これを表面化させると小沢代表から潰されるのが解っている為に「声を上げられない」。
 結果、このような不満が、爆発させる事ができないため「地下でくすぶりはじめ」ています。

 これは一種の時限爆弾のようなもので「いつ爆発するかわからない。どれくらいの規模で爆発するかわからない」というシロモノです。
 この状況下で、今回、たとえ2人であったとしても「離党して別な道を歩める可能性がある」という事を見せてしまう事は「爆弾はチャンスがあれば爆発させる事ができる」と広く知らしめてしまった事になります。

これがどれだけ危険な事か、すぐに想像できるでしょう。

ですから、もし小沢代表が「事前に掴んでいた」なら、その豪腕は「離党宣言した人間を引きずり戻す」のではなく、「離党宣言させない」事に使っていたはずです。

しかしながら「離党宣言をさせてしまった」。
しかも、引きずり戻せたのは「頭の軽い馬鹿議員1人だけ」。

これが「事前に仕込んでいた」のではなく「後追いで処理した」という事の証拠です。
しかも、これで「小沢代表の豪腕に一点の瑕疵なし」と思う人はいないでしょう。
「小沢代表が豪腕で報復したけど、その力は姫井までしか及ばなかった。その程度まで力は落ちている」
こう考えるのが普通です。
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ちなみに、今回、自民党としては「ダメージは何もありません」

「民主党から勝手に離脱者が出たけど、完璧な人数ではなかった」
というだけです。

「完全に過半数割れ」できれば万々歳でしたが、
「少なくとも楔を打ち込めた(半数ぎりぎり)」。この今の状況だけでも80点以上の評価です。

楔を一つでも打ち込めた以上、まだ揺さぶりをかけるのは可能です。
しかも「火種は残り続ける」という今の状況。

これから、小沢代表にできるのは「やっきになって火消しに走る」だけ。
「火をおこさせない」という事は、もうできない。

しかも民主党内で「次は誰が燃え上がるのか?」という疑心暗鬼をうませる事につながる以上、自民党にとっては「ベストではないがベター」な状況です。

この状況で、麻生幹事長以下が「恥をかく」でしょうか?
『小沢の豪腕で完全勝利は逃したが、それでも「次の手に繋がる」戦略的勝利を手にいれた』
という事で一定以上の評価が十分得られるでしょう。

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戦術的勝利は民主党(小沢)、戦略的勝利は自民党(麻生他)という所です。

で『どっちが本当の勝利か?』といえば、
多くの人は、見栄えで『阻止した小沢』を評価するのでしょうが、戦略思考で考えれば『離党させた』自民党側の方が評価が高くなります。

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確かに「火が燃え広がる前に食い止めた」事は評価できますが、「ボヤ騒ぎを起こされた」事については大失態です。

しかも、第2第3のボヤ騒ぎの可能性は否定できない。
確かに「小さなボヤ騒ぎ」で抑えられましたが、これを何度も繰り返されれて消耗戦になだれ込めば、民主党の未来は厳しいでしょう。

本来、「ボヤになる前に食い止める」事が絶対に必要な事だったのにそれはまったくできなかった。
これでは、「小沢の戦略能力が高い」というのは無理です。

結局、「その場での対応」が得意な(局地戦の得意な)だけの小策士に過ぎない。
「戦術能力は高いけど、政略・戦略能力は低い」。
それが小沢代表の本質です。

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…しかし、何度考えても、小沢は「代表」の器じゃないんだよな。
他に大きな政略・戦略を持つ代表がいて、それを横で支える「戦術参謀」。これが小沢の本質なんだろうな。

元々、「トップが偉くて、参謀は格が低い」という事なんて無い。

「王佐の才」と「王の才」は別モノ。
これを勘違いして「王様の方が偉い」なんていう人がいるから、間違いが始まる。「どちらも国家には必要」だけど、「どちらもできる人」というのは普通いない。
 良い王は王佐の才を大切にするし、良い王佐の才は王を補佐し続ける。これを勘違いした王や補佐が、それぞれ相手を蹴落とそうとした瞬間、崩壊が始まる。

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私としては、「金丸の下で策を練っていた」(王佐の才を発揮していた)あの時期の方が、小沢の評価が高いんだよな。

「王の器が無いのに王になろうとしている」

そんな、今の小沢はどうしようもない。

……この小沢代表に期待している人達は、何を期待しているのだろう?

目に見える局面勝利だけで、喜んだり信用するのは、第2次世界大戦の時の大本営発表に喜んでいた無知な庶民や、ナチスを喜んでいたドイツ国民と何ら変わらないんだが。

コメント

_ TAKE(管理人) ― 2008年08月30日 16時38分21秒

追記: 後、「4人だから政党交付金がもらえなくなったwwざまあww」と、書いている記事が多く見られるけど、政党交付金は「1月1日現在」の人数で決まる。

だから、今回の新党も「12月31日までに」1人でも増えたら、交付要件を満たす事になる。

しかも今年は選挙が無かったから、「途中からの配付」なんてものは無い。
現時点で、4人だろうが5人だろうが「今年はもらえない」事は、最初から折込済み。

……で、あっている…はず。

だから「貰えなくなった」って騒いでいる人達は、やっぱり『何も判っていない』んだろうな。

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しかし、考えれば考えるほど、民主党のお粗末さが目に付く。
姫井奪還も考えたら、『無駄』どころか『悪手』にもつながりかねない。

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「数合わせで姫井」だったけど、姫井脱落。

政党とするためには、渡辺らは「数あわせ攻勢」をより激しく民主党にかけなくてはいけなくなった。

だから『今まで以上』に揺さぶりが大きくなる。

こう考えると、姫井を取り返した事自体、戦略的には民主党にとってより不利な局面になった気がする。

逆に、姫井込みで叩き出して「5人のはぐれガラス」にしてしまった方が良かったんじゃないだろうか。

5人でまとまっていれば、政党としては安定するので「それ以上党員を増やす理由」がなくなる。そうなると、渡辺らの積極的攻勢も自然に鈍るのだが。

しかし、今は、完全に「はぐれガラス」が死地に追いやられた状況。
死地に追いやられた人間は、破れかぶれになるから「狂兵」となって一番危険なんだよね。

「死に物狂い」の連中は、とてつもない力を発揮する。

だから「戦いで相手を逃げ場の無い状況に追い込んではならない」というのは鉄則なのだけどな。

でも、渡辺らは、完全に「背水の陣」を敷かなければならなくなった。

この点でも、民主党は「戦略的には敗退した」と言っていいように思える。

_ TAKE(管理人)追記の2 ― 2008年08月30日 16時51分11秒

後、勘違いしている人がいるかもしれないが、

政党としての要件は、「国会議員であれば」衆議院・参議院を問わない。

だから、手として、「衆議院議員」に食指を伸ばす可能性も十分否定できないという事を忘れてはいけないだろう。

_ ゆかり ― 2008年08月31日 01時37分39秒

貴方は、とてもまともで頭の良い人だと感心しました。今回の離党騒動でネット上の意見などを読むと、「民主勝利、自民涙目」みたいなのが意外と多くて不気味な感じがします。最近は恐怖すら感じます。まともな人間なら民主党の方に不信感を抱くと思うのですが...(でも、自民党が完璧という訳でわありません)貴方の記事を読んで自分と同じ考えの人がちゃんといる事に安心しました。

_ TAKE(管理人) ― 2008年12月08日 04時57分11秒

しまったぁぁぁ!!

後追いしてなかったから気がつかなかったけど、9月24日の麻生総理誕生の段階で、こっそり「元民主」の西村さん合流してたのね orz

……予想通り、「政党」になっていたとは。なぜ見落としていた。自分。

あれだけ「民主勝利」と叫んでいた人達が、ほとんど何も言わなかったから、自分もスルーしていたよ。
年末近くなって、ネットで調べなおしたら出てきた。 orz

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