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思いつきを垂れ流すのはどうだろう… 「羽田ハブ計画」2009年10月13日 22時30分39秒

 さて、民主党お得意の「とりあえず先に言ってみる」という、政治家としては間違った手法を今回も前原氏はしてしまったようだが、何も考えない市民は賛同しているようだ。
 思考放棄をしまくっている国民の集団というのは、どうだろうか。

<前原国交相>成田の国際空港機能は必要 羽田ハブ化で
10月13日19時47分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091013-00000069-mai-pol

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 現実問題として「羽田のハブ空港化」は実現性が低いと思う。
 これには理由がある。

 それは「最長滑走路が3350mしかない」という点だ。

 確かに羽田は成田などと比べ、滑走路の「本数」は多い。
 だが中長距離の大型機路線に必要な、滑走路の「長さ」が短いという致命的な欠点を抱えている。

『ハブ空港』の本質は「乗り換え・乗り継ぎ」にある。

「中長距離移動してきた人が『空港内で』短距離路線に乗り換える事ができる(またはその逆)」という事が、もっとも重要な要件だ。
 したがって、本当に要求される能力は「処理本数」でも「都心に近い」ことでもない。「中長距離・大型機でも対応できる能力」だ。

 だが、羽田にはこのために一番重要な「長さ」が足りない。

 チャンギや仁川・香港などを見て判るとおり、中長距離路線を就航させるには3500~4000m級の滑走路が離陸用主滑走路として必要だ。ところが、羽田は最長で3000mしかない(現在伸長計画があるが、伸長後でも3350mしかない)。
 これでは『長距離国際便のB747』を離陸させるに十分な距離があるとはいえないだろう。
 また、新しい航空機として脚光を浴びている「A380」はまったく飛ばせないしボーイングで開発中の新型大型機もおそらく無理。

 これでは、今後、長距離路線で「大量・長距離輸送」が進んだ場合、明らかに羽田では対応ができないことが予想できる。
(B747でも飛べる事は飛べるが『中近距離』までしか対応できない)

 これでハブ空港など目指せるはずがないだろう。

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 ※ 今後飛行機、は小型化するか?

 こう書くと「時代のニーズと違う、今はB777などの中型機が主力だ」と言う人もいるだろう。
 だが、これは間違いだ。
 確かに、中近距離路線については「身の丈にあった」B777などが今後も主力となるのは間違いない。
 だがその一方で、長距離で旅客・貨物需要の多い路線については、今後は「大型化」に戻ると思われる。

 その理由は簡単だ。

「300人乗りの飛行機を2回飛ばす」事と、「600人乗りの飛行機を1回飛ばす」事のどちらが「必要となる燃料量」また「発生する排ガス量」の問題から有利かという点だ。

 当然、「1回飛ばす方」が有利なのは理解できるだろう。

 これは、バスや鉄道などで、近距離では「小型化」による「省エネ化」が進み、長距離・大量輸送需要がある路線などについては「大型・一括輸送」による「省エネ化」が進むのと同じ発想だ。

 今後、石油の枯渇問題や環境問題がより重要視されていく場合、「省エネ化」「大量輸送化」(本数の削減)が加速する事は目に見えている。
 結果、アジア - ヨーロッパ・アメリカ路線については「大型化」になる傾向が進むだろう。

 この動きはA380やボーイングのB747-8などをみれば理解できると思う。

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 その他に「稼動航空機数を増やす」と言うこと自体の問題がある。

 ジェット飛行機というのは、環境面においての負荷が非常に高い事は理解できるだろう。「騒音」と「大気汚染」については、自動車などモノの数ではない。
 もし、羽田の発着便数を増やし「より航空機の離発着数を増やす」と言うことは、加速度的に「騒音」と「大気汚染」を増やすという事に繋がるだろう。

……まあ、あんな鉄の塊を空に浮かべてしかも高速で移動させているのだから仕方がないが。

 「ハブ稼動」する場合24時間対応が必要となるが、この場合の騒音問題について考える必要がある。
 元々、成田にできた理由の一つに地域の「騒音問題」がある。またこの騒音問題は成田がモメた理由の一つでもある。
 航空技術の進歩によって航空機の「騒音」自体は、多少軽減されているようだが、それでもまだ「うるさい」という事には変わりは無い。この状況下で「都心で24時間航空機の離発着を『頻繁に』行わせる」という事に戻せばどうなるだろうか。

 簡単に想像できる。「地域住民への的確な対応が要求される」事になる。
 しかも「都心で」というおまけ付きだ。

 どれだけの金銭的負担が必要となるだろうか。
 ここを押さえずに「ハブ化構想」など、あまりにも問題がある考え方だろう。


 さらに「大気汚染」についても考える必要がある。

 「日本は温室効果ガス削減を世界に公約」してしまっている。
 そのため、温室効果ガス削減を公約した以上「温室効果ガスを発生させる物」を増やすわけには行かない。
 これは当然の論理だ。

 この状況下で「航空機の稼動数を増やす」というのは、明らかに論理が矛盾する事に気付く。
 「日本の飛行機じゃないから」という事で言い訳ができるかもしれないが、それでも『相反している』という事は誰から見ても明らかだ。

 これでは「環境問題について」日本がどこへ向かうのか、誰が見ても混乱するだけでしかない。

 この点については「飛行機」が「石油燃料」を燃やして「エネルギーを確保する」という、エンジン構造自体が変わらない限り解決できない問題だ。

「一方で温室効果ガス削減を要求し、一方で温室効果ガスの元を増やす」

 これが、今回の前原構想により引き起こされる結果だ。

※ ちなみに、私自身は鳩山総理の「温室効果ガス削減発言」自体の方を撤回すべきだと思っている。確かに温室効果に対応する事は必要だろうが、何も考えずに世界に調子のいい事を言った鳩山総理の方が、非常に問題のある行為だと思う。


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○「ハブ空港」に関する考え方の間違い○

 さてこの問題、実は「ハブ空港」というものに対する考え方が、根本的に間違っているところに端を発していると思う。

「ハブ空港」とは『その土地で活動をするのに利用しやすい』空港を指すのではない。先に書いたとおり『中近距離・長距離間の乗換えがしやすい』空港という意味だ。(国内線・国際線の乗換えがしやすい空港と言ってもいい)

 この時必要なのは、空港周辺の経済活動状況ではない。

 「空港から外に出ることなく、空港内ですべて完結できる」事こそが必要な条件だ。

 このあたり、トム・ハンクスが主演の映画「ターミナル」を見てみると参考になると思う。アレも「空港内ですべて完結できている」。

※ ちなみにこの映画、政変によるパスポート無効・入国ビザ取消というテーマの映画のため、在留関係をやる行政書士なら一回は見ておくべきだと思う。(まあテーマと関係なくトム・ハンクスの主演映画で面白いけど) ---

 これに対して、羽田ハブ化歓迎論は「空港の外で活動する時に便利なように」という視点を持ち込んで始まっている。
 これは、明らかに「ハブ構想」としては間違っている。

 本来、東京での国際便に必要なのは「東京で活動し直行便で外国の主要都市にいける(または海外から直接東京にこれる)」という事だけだ。
 また、東京での国内便に必要なのは「東京で活動し直行便で他の地方都市にいける(または地方から直接東京にこれる)」という事だけだ。

 「東京で乗り換える」必要性はどこにも無い。
 そのような状況は誰も望んでいない。

 したがって、成田・羽田のどちらが「ハブ空港として適切か」という論点で考えること自体が間違っているといえるだろう。どちらも「東京で活動する」ために必要な国内線空港・国際線空港として存在していればいい。

 「地方で活動する人のための」ハブ空港は「別な空港」を当てればいいのだ。


 『ハブ空港は「降りて活動するための空港」ではない』
 この基本原則を理解しないで話をするからおかしくなるのだ。

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 私としては「ハブ空港」自体は関空でいいと思う。
 ただし「橋下構想」もはっきり言えば間違っている。

 あくまで「ハブ空港」と考えるのならば、あの浮島の中にすべての商業施設・娯楽施設・宿泊設備等を設置し「独立した商業都市」として活動させる事の方が適切だろう。

 「乗り換える」と「下車して経済活動をする」は分離して考えること。
 これが、すべての基本であり、さらに「乗り換え部門」は「乗り換え部門」として「完全に独立させる」考え方が本来必要だ。

 「乗換駅」で「駅の外に出てもらってお金を落としてもらう」と考える。
この発想が、もうピント外れだという事にいい加減気付くべきだろう。

 「乗換駅」での成功の秘訣は「駅構内で、必要なすべての活動を終了させる」という事にある。
 実はJRなど鉄道会社はその事に気付き「駅ナカ」を充実させる事に力を注いでいる。

 もしハブ空港化を望むのであれば、関空はもっと「空ナカ」を充実させるべきだろう。
 わざわざ降りて「大阪市内に来てもらう」こんな事を考えている限り「二兎を追って一兎も得ず」という結果にしかならないだろう。

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・成田国際空港 「外国から東京へ来る人」専用の国際空港
・羽田空港    「地方から東京へ来る人」専用の国内空港
・関西国際空港 「地方から海外へ行く人・海外から地方へ行く人」専用のハブ空港

 このように済み分ければうまくいくだろう。

※ 羽田については「東アジア・東南アジアから東京に来る中小型機」と「国内線」専用の国際ハブ空港、「国内線同士のハブ空港」という手もあるが(中国とか韓国用に)、「東京で活動する人」の利便性を考えれば、ハブ機能と終着空港としての機能を一つの空港(羽田)で併用することは『無駄』な発想でしかないだろう。

参考文献 05/06/2010 追加
http://www.kokuitten.com/travelbyair/kaiteki/
「ハブ」空港とは何か?がしっかり書いてあるサイト。

「制限区域内」という適切な用語を使っているが、簡単にいえば「駅ナカ」構想。

コメント

_ 爺さん ― 2009年10月14日 00時19分48秒

成田は滑走路は実質1本だし、40年以上も反対闘争しておきながら、今さらハブ空港なんかになれないでしょう?
関空は関空でハブになっていいだろうが、着陸料が高すぎるでしょ?
関東にハブになる空港が必要だけど、冷静に考えても、それは滑走路4本ある羽田以外には不可能でしょう。

しかし、おたくの意見は、まことに極論ですな? 外国人はどうでもいいから、成田みたいな不便なところでいいよ、という意見ですか?
島国根性が垣間見える。

日本の農家でもそうらしいが、若いものよそ者を排斥するんでねえ、結局農家も廃れていく。
農家だけでなく、そういう島国根性のおかげでどんどん、廃れていくんでしょうな。

_ 爺さん ― 2009年10月14日 00時21分51秒

それから、羽田ハブ化は、全く最近の思いつきではないでしょうよ。昔からの意見の一つでしょうよ。

_ 爺さん ― 2009年10月14日 00時31分54秒

もうひとつ。
大臣は、最初、羽田のことを言っているのであって、成田のことは言ってない。羽田をハブ化しようというのであって、成田が不要だとは、一言も言ってない。
なのに、なんで成田市長とかが、寝耳に水だと、怒るのか?勘違いも甚だしい。

そもそも、千葉以外に住んでいる関東人は、なんで、不便な成田までいかないと海外に行けないのか? この素朴な疑問を抱いて早や40年!(きみまろなみのお笑い) この40年の間に多くの無駄な労力が失われてきたわけだ。もちろん、それで食ってきた人間もたくさんいるだろうがね。
しかし別に成田空港を廃港にしようなんて誰も言ってないよ。滑走路一本じゃ、無理でしょうよ、と言っているだけ。なんだか、若いやつの進出を拒む老兵か。老害成田というわけだ。

_ TAKE(管理人) ― 2009年10月14日 00時49分25秒

コメントありがとうございます。

「外国人は成田で不便」でしょうか?

『東京で活動』するのであれば、成田・東京間の移動自体はあまり不便ではありません。
(また「東京での活動」を軸に考えれば、30分程度の時間差自体は、デメリットにはなりません)

 さらに「鉄道」という観点で言えば、現在の成田エクスプレスをより効率よく運用すれば、成田>東京>在来線というラインで移動できるので、羽田>モノレール・京急>JR乗換という状況より、より便利な場合もあります。

(他にも京成スカイライナーの路線変更による短縮も計画されています)

 さて、関空については「空港内設備の充実」と「着陸料の軽減」が望まれるところですが、「ハブ空港」として「離着陸特化・乗換え客用の商業活動の充実」を行えば、収益性は明らかに向上できますので、1機あたりの着陸料の軽減も可能だと考えられます。

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 そもそも今回の話について、「東京で活動する外国人のために羽田離着陸を」という発想自体は、ある程度、理解できますが、それは完全に「ハブ構想」とは異なる発想です。

 「東京圏で活動する」ための空港 と言うことと「東京圏で乗り換える」ための空港 という事を混同しているのは、いかがなものでしょうか。

 あくまで「ハブ空港」の機能は「乗換え」にあります。

 『東京以外で』活動される方が『わざわざ東京で乗り換える』必要はありません。
 なのに「羽田(東京)で乗り換える」事に意味を持たせようとしているから問題だ、と言っているのです。

 繰り返しますが「東京圏での活動拡充」のために、東京国際空港(羽田)のアジア向け拡充という事は理解できます。

 それと「乗換えの利便性を高める」『ハブ化』構想は、意味が全く違います。

 これを「羽田で両方まかなう」という考えが間違っている、と言っているのです。

_ TAKE(管理人) 追記 ― 2009年10月14日 01時23分25秒

繰り返し書きますが、
「ハブ空港」と「その地域で活動するための」乗降用空港を混同している人が多いのが、間違いの元です。

 ハブ空港は、あくまで「乗換のための駅」であって、極論で言えば「空港外の施設」が一つもなくても構わないのです。
(実際、チャンギなどでも、「税関外・空港外」に出る必要はまったくありません。トランジットエリア(税関内エリア)ですべてまかなえるようになっています。)
 貨物便についても、「空港外に荷物を出す」必要などなく、単に「給油と休憩、積荷の載せ換え」さえできればいいのです。
 集荷・配送ステーションとしての機能があればいいのです。

 これを、「外に出て東京圏で活動する人のため」の空港である「羽田」で賄おうとするのが、間違いの元だと言っているのです。

「羽田」はあくまで「東京圏で活動するための人」の空港。 「他地域への乗換えのため」の空港である必要は無い。

 それだけの話です。
---

 さらに勘違いして欲しくないのですが、
私は「成田をハブ化に」という事を主張しているのではありません。

実際に「成田のハブ化」など「羽田のハブ化」以上に無理です。

 成田も羽田も、あくまで「東京圏で活動するための人」のための空港に特化しろと言っているのです。
 「東京圏で活動するための人」と「その他の地域で活動するための人・航空機を乗換える人」を、「同じ空港で扱うのは無駄が多すぎる」と言っているのです。

_ 名無し ― 2009年10月14日 17時38分47秒

お二人の意見を読ませていただき、大変参考になりました。ところで前原大臣がいかにも唐突に話を出しているかに見えますが、実際はそうではないと思います。
問題を先にドンと出すやり方は良くあります。日本的ではないかもしれませんが。
先に問題提起をすれば、周りの真の反応を見ることが出来ます。ダムにしてもハブ空港にしても現地の反応が良くわかります。それの対応策を持って現地に行った方が時間の無駄を省けると言うことなのかもしれません。

_ (未記入) ― 2010年10月16日 08時57分00秒

成田は滑走路が2本ありますので、1本だけというのは、誤りですねぇ。
また、羽田で増える1本は、横風用。

そもそも、羽田に再び国際線のゲートウェイが欲しいのを、羽田ハブ化論に置き換えてしまっているので、マスコミを含めた多くの方が間違っているのですよね。
それに、羽田空港から国際線を新東京へ、国内線を沖合いへ追放したのも、大田区とマスコミを含めた都民なのですが、すっかり忘れてしまったようです。
裁判沙汰にもなったのが、懐かしいですね・

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