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工業技術はあるけど経営技術は無いという…典型的な町工場?2009年07月10日 19時22分12秒

踊るロボットCMの「生産技術」が民事再生を申請
7月10日17時34分配信 ITmediaニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000068-zdn_n-sci
(Yahoo)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/10/news075.html
(元記事 IT Media)

さて、この問題。
CMでもよく解るとおり、技術力は結構高い。
日本が技術立国である以上、この企業の存在価値自体はとても高いといえる。

で、今回の民事再生。

「不況が原因」だとか「こういう企業こそ大切にすべきだ」とか、果てには「不況対策ができない政府が悪い」とか関係ない事を人もいるかもしれない。(実際、yahooコメントを見ると、そんな意見が多い)

でも、記事をよく読んでいると、ぜんぜん違う。

>しかし、所有する計10ヵ所の工場の建設資金、レンタル機器の導入資金を借り入れに依存していため、金融機関からの借り入れは約100億円(2008年11月末時点)、また金融機関を引受先とする社債残高は約23億5000万円に達し、資金繰りは多忙化。昨年の世界同時不況の影響で、製造業に対するコスト削減が要求されるなかで、当社へのレンタル機器導入の引き合いは逆に増加していたものの、顧客の設備投資先送りや資金調達のズレ込みなどで資金繰りはタイトとなり、今回の措置となった。

帝国データバンク資料より 抜粋
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3080.html

単に
「借りた金を固定資産等の導入資金に当て」、拡大戦略を取ったところ、
「固定資産(工場)が返却費用を生み出しきる前」に、資金ショートをして
 にっちもさっちもいかなくなった。

というだけ。

典型的な「設備投資タイミング・資金調達」の読み間違い。

不況になって、各企業がコスト削減を図ろうとしていたから、レンタルロボットのニーズ自体は高まっていたから、市場の問題は無かったようだしね。


「年収入高は2008年5月期には約112億5600万円にまで伸長した」
「しかし、借り入れ・社債は合計約123億5000万円(2008年11月末時点)」
「結果、資金繰りは多忙化」

完全に利益が返済額で食われる
「すごい成長企業なんだけど、内実は自転車操業」パターンじゃないかな?これって。

 確かに、設備投資は必要なのだけど、ちゃんと「経営」を考えないと失敗するという典型的なパターンだよね。

 だから、この記事を読む人は、コレを「不況のせい」とかいうと、話を完璧に読み違える事になるので注意が必要だと思う。

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 ともあれ、この手のパターンは日本の中小企業ではよくある話だと思う。

 中小企業の多くは「社長」=「現場の人・親方」というようなパターンが多い。
 これは、飲食店経営でも商店でも町工場でも同じ。
 飲食店の場合、オーナー=シェフだったりするし、商店でも店長=オーナーとか。町工場も「独立して自分で工場を作った人」というパターンが多い。

 そのため、技術力はあるのだけど経営戦略という部分には弱いという事が多々ある。というより「経営」という部分について知らない人が多い。

 結果、大きくなってくると「自分の手に余る」状況になってきつくなる。

……で、人に頼ることになるのだけど。

 大抵、なぜか「銀行」にアドバイスを頼む場合が多い。
 なんでさ?


 確かにメーンバンクは親身になってくれるとは思う。
 でもメーンバンクは「自行からの貸し出しを中心とした資金調達」で考えるのが普通。だって、そうしないと「自行にお金を落として」くれないから。

 だから、長期借入金で経営戦略を組むし、そこで資金ショートしそうになったらさらにぎりぎりの線で短期借入金も組む。

 結果、最後には銀行のためにはたらく企業が一丁上がり。

……もう少し「外部」に人材を求めるべきだと思うんだけどね。

 経営コンサルタントでもいいし、許認可手続も行ってコンサルや経営戦略も組めるような行政書士とか。

 例えば、自分とか、自分とか、自分とか。(こらマテ)

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 まあ、何はともあれ、この企業については「民事再生手続」での処理になるから、
清算法人となるわけじゃなくて、債権元(銀行)は「金利分放棄」で「数年間支払は凍結」とかそんなところが落としどころかと。

 ある程度、資金繰りさえ正常化させれば、間違いなく一定以上の利益は見込める企業だし、今後もレンタルロボット市場自体も当分は拡大していく市場ではあるからね。

まあ、あまり心配するほどのことでも無いだろう。
(とはいえ「完全にショートするまでフォローを入れられなかった」という事自体は、ちょっと眉を顰めたくなるんだけど)

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 話は変わるが、今、中小企業の多くで、「日々の経営」問題以上に、実は「後継者問題」が発生しはじめています。
 「トップとしての経営判断」は、管理職やその他の職業ではあまりつきません。
 そのため「いきなり社長交代」では対応できない場合が多々あります。
 次期後継者として、しっかりと育てていく必要があります。
 また、許認可においては「該当業種の経営者の資格(経歴)」を問われる場合もあります。
 日頃からある程度は考えておきましょう。

 大企業と違って、「人材不足」(ぎりぎりの人数しかいない)のが中小企業です。
「いくらでも社長のなり手がいる」訳でもないので、しっかりと未来を見据えた経営が必要です。


 当事務所では(というより当方)、「事業承継」(後継者教育)を含めた中小企業の中長期経営を許認可・契約を含めサポートしています。

 普通のサポートとはちょっと違ったサポートをお求めの方、お気軽にお問い合わせください。

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ちなみに、当事務所では「民事再生」等の司法手続によるサポートは基本的に行いません。

……と、いうか「民事再生などにならないように」サポートをするのが仕事だしね。

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 行政書士で「この分野(民事再生分野)も」って考えている人が稀にいるけど、「コケないように」フォローするのがこっちの(行政書士の)業務範囲であって、「コケてから起き上がる」のをフォローするのとはまったく違う。「コケてから」のフォローは弁護士や司法書士でやってくれればいいじゃん。

 こっちは「コケないような」視点を磨こうよ。
【司法手続】だけじゃなくて、総合的見地が必要になるから、司法手続に追われる司法書士では忙しすぎて入ってこれない世界なんだし。

……まあ、「コケた時」の知識も必要だけどね。

「勝者無き」結末、混乱政局に突入2009年07月13日 21時14分07秒

解散決断、永田町激震…自民「大逆風」民主「慢心怖い」
7月13日15時51分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000632-yom-pol

都議選敗北で陳謝=麻生首相
7月13日14時21分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000076-jij-pol

議席確定 民主第1党、自公過半数割れの歴史的大敗
7月13日0時10分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000501-san-pol


さて、今回の都議選。
プレ衆院選とも位置づけている人がいるが、結果は「見てのとおり」

……『誰も勝っていない』状況に落ち着いた。

 ここで「自民が敗北し民主が勝った事実を受け入れろ」という人がいるかもしれないが(実際、マスコミはそんな口調が多い)よく考えて次の事に答えて欲しい。

 『都議会で可決可能なだけの過半数はどこが確保できるのか?』

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 冷静に数を見直そう。

『最終的な各党の議席は▽民主54 ▽自民38 ▽公明23 ▽共産8 ▽生活者ネット2 ▽民主系無所属1 ▽その他無所属1。』

 総議員数は127、必要な過半数は『64』

・自民+公明で、61 過半数に届かず。

確かにそのとおり。
じゃあ、勝った勝ったと浮かれている「民主党側」は? となるとどうだろう。

・民主 54 生活者ネット 2 無所属 2=『58』

 ……足しても過半数に届かない。
 それどころか「自公」にすら届かない。
 『自公一体』と考えれば、与党ですらない。

 この状況で浮かれていられるのだろうか?
 確かに単独政党としては第1党とはなった。だが「だから民主党が天下を取れる」などと考えるのはまずいんじゃないだろうか。

 今、民主党が都政での政局を握るためには次の3つの方法しかない。

1.「共産党と手を組む」
2.「公明党と手を組む」
3.「自民党を切り崩し取り込む」

 さて、どれが現実的なプランだろうか。

 はっきり言って、3.しかないだろう。
 共産党が手を組む事はあまり期待できないし、公明党とは犬猿の仲。
 結局、自民党の切り崩ししかない。

 だが、「自分達が切り崩しにかかる」ということは「相手からも切り崩しに来る」という事を意味している。

 民主側は「自民から」6人必要。
 自民側は「民主・その他」から3人必要。

 さて、どっちが優位だと思えるだろうか。

 当然、「人数的には」自民側優位なのは理解できるだろう。

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 とはいえ、今は絶好調の民主、風に乗っているのでそう簡単には切り崩されないだろう。
 じゃあ都議会はどうなるのだろうか。

 最悪の事態は「どちらも過半数足らず」で議会が全く機能しなくなる。

 この時、民主側は何というのだろう。
「自民は野党なのだから、与党(民主党)に従え」などと言うのだろうか?

 これはNGだ。
 今までそのような自公の態度に「ふざけるな」と文句を言ってきた立場である以上、自分達が同じ事を相手方に要求するのは、恥を知ればできないだろう。

 ではどうなるのか。
 民主党がどれだけ自公の要求を飲めるのか?
 これが今後の基本となるだろう。

 都議会はこれから4年間続く。
 ある意味、今後の国政よりも長いかもしれない。

 「政治は大が小に譲る事にある」
 民主党が「本当の与党」となれるかどうかは、今後の対応次第だろう。

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※ ちなみに衆院選についてだが、
 今回の都議選と同じく『双方勝者なし』という状況が一番ベストだと思う。
 その時点で政界大再編が発生するので、自民も民主も内部改革が一斉に進む。

 この結果「古い血」がどちらも淘汰される事にでもなれば一番いい状況だろう。

 ごたごたの間に『ごたごた国会など相手にしていられるか』と官僚が『独自路線』を突っ走る怖れもあるが、それは「選挙に投票したからいいや」と他人任せにするのではなく、国民がきちんと見ていれば済む話。
 国民がきちんと政治と国家について考える機会にもなっていいと思う。

 とはいえ、民主が過半数を取って完全与党化という事も考えられなくも無い。

 その場合は、民主が「大が小にゆずれる」政党として育つのか。
 それとも「我々こそが正義だ!!邪悪な自公の言葉など全く耳を貸す必要がない!!」と大政翼賛会よろしく『正義の政党による一党独裁』に走るのか。

 そこを国民は良く見ていく必要があるだろう。

 まあ、何はともあれ「選挙で投票したから、自分達の義務は果たした」などと考える『お客さんな国民』から「選挙で投票した以上、自分達は常に政府を見張っている」と『主権を持つ国民』へと進化するか、『それも』問われている事に、自分達国民も、もっと真剣になるべきだろう。


(でも、民主が「譲る」とは思えないんだよな。前にもこんな記事、書いてたし)
政治は、大が小にゆずることから。 ― 2007年09月12日 15時17分39秒
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2007/09/12/1793350

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追伸:
ちなみに、公明党は「立候補者全員当選 100%の勝率」
これが何気に一番スゴクないか?

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追伸その2:
「勝者無き」結末~ とか書いていたら、

”勝利者など いッなッい~  戦いに疲れ果て~♪”と思わず口ずさんでた。

ここはアレだ、やっぱり
「私は帰ってきたー!!」と叫んだ方がいいのかな? かな?

MIAU の声明に賛同します2009年07月14日 18時21分49秒

改正児童ポルノ法案は「ネット利用に大きな弊害」 MIAUが声明、賛同者募集
7月13日11時55分配信 ITmediaニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090713-00000028-zdn_n-sci
記事元
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/13/news029.html


 児童ポルノにより、実際の児童が被害にあうことは許されませんが、現在の「改悪児童ポルノ禁止法案」については反対であり、MIAU声明を支持いたします。

MIAU(インターネットユーザー協会) 公式サイト
http://miau.jp/


 著作権関連を扱う業務である以上、「創作者の自由な創作活動」そのものを制限する場合には、客観的な根拠が必要だと私は考えています。

 ところが、現在の改悪案においては、「客観的根拠」を事前に提示せず、禁止法執行者側が「主観的に問題がある」と判断しただけで、その時点で規制する事が可能となっています。

 これは明らかに「恣意的な運用」により「内心の自由」を規制する行為だと思われます。
(実際、趣旨説明その他において、客観的根拠が無いまま「自己の内心」そのものを理由として、改正すべきだと主張しています)

よって、「今の改正法案」は認めるべきではないでしょう。

※※
  勘違いしないで欲しいのですが、「児童ポルノ」そのものを容認しているわけではありません。

 『他人の嗜好・思想・表現・行動を規制する』以上、その基準は『客観的に示され、恣意的に運用されないこと』をが必要だと言っているのです。

 単に「ポルノだから」いいだろうと、安易に『客観基準無き規制』を容認した場合、風潮さえ作れれば「単に○○だから」いいだろうと国家規制を自由に作れる事になります。

 これは、「法秩序」そのものを揺るがす問題です。

 それゆえに、また「創作者の創作行為」ならびに「内心の自由」を守るために、私は、今回のMIAUの声明に賛同いたします。

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興味のある方は、以下のサイトで、 
「児童ポルノだろう」とか「ネット馬鹿のたわごとだろう」と偏見を持つことなく、公平な目を持って、声明を読んでみてください。

その上で、改正案に賛同するか、MIAUに賛同するか、一度じっくりと考えてみていただきたいと思います。

MIAU公式サイト
http://miau.jp/

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参考記事:経済面から見た、今回の改正に関する反対意見

日経BP社 SAFETYJAPAN
「児童ポルノ禁止法」で日本のマンガ・アニメが衰退する
経済アナリスト 森永卓郎
2009年 7月14日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20090713/167005/

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現在の政局によると、どうも改正法案成立は微妙な状況になってきたようです。

とはいえ、「倫理」の名の下に、感情論だけでの法案審議は今後も続く可能性があります。

したがって、今後もこの問題については、常に正確な理解を心がける必要があると思われます。
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参考その2:自記事「小便小僧を破壊しよう!!」
2009年06月30日 02時30分56秒
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/30/4402636

実際に、表現の面から見た問題点を自分なりの視点で少々まとめてあります。

「スーパーに学ばない」コンビニ達2009年07月18日 12時43分27秒

セブン-イレブン、弁当値引きを容認
7月18日3時9分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090718-00000096-yom-bus_all

さて、この話題。
先日の記事コメントで口論になっていたが、まあ公取委から排除命令が出ている以上、「見切り販売に関するルール・資料」を作る必要はある。

 なので、別段、特別な事とはいえないが…

 本部の苦労が目に見える。
「状況を理解できない人たち」っていうのは、困ったものだ。

 まあ「素人に起業させてしまった」時点で、本部も馬鹿だったという以外にないのだけど。

 結局、これが「自店舗を圧迫する」という事に気がついていないところが加盟店側が『素人集団の集まり』だというところだろうか。
 さて、こう書くと「困っている店舗側の気持ちが判らない傲慢な人だ」などと書かれてしまうかもしれないが、これは「見切り販売の問題点」を理解もしないで、適当な理屈をひねり出して『俺達は努力している』というだけの人たちなのでしょうがない。

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 「コンビニに弁当を買いに来る客」とは、どのような人たちか。
 これをまずは理解して欲しいと思う。

 彼らは、ほとんどが「コンビニに来てからついでに買おうと思う」のではなくて、最初から「購入目的」で来ている客だ。しかも来る時点で「予算が決まっている」。

 つまり、見切り品であろうが正規品であろうが、「ある程度の額まで」弁当その他を購入しようと思って最初から来店する客だ。

 では、ここで見切り品を販売した場合どうなるだろうか。

 単純に「正規品を買う予定」が「見切り品の購入」にシフトするだけ。
 結局、正規品の利益が、見切り品の利益に減少するだけでしかない。

 これで、どうして「利益が増える」といえるのだろうか。
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 「見切り品」を購入して、余ったお金で「他の品も買う」はずだ。
 だから利益が減る事はない。

 こういうかもしれない。

 確かに、正しいだろう。
 だが、考えて欲しい。
「品数が増える」という事は、コンビニ側の在庫数も増やさないといけないのだ。
 この場合、配送・在庫管理コストが増大するのは誰にでも理解できるだろう。
「たくさん売れる」ためには「たくさん在庫を持って」いないといけない。
「たくさん売れる」という事は、必ずしも利点じゃない。

 「同じ売上」なら「品数が少ない」方がメリットは高いのだ。

 見切り品販売で同じ売り上げを上げようと思ったら、
「他の商品で品数を増さなければいけない」。
 これは、実は『在庫管理負担を増やす』(利益を減らす)デメリットなのだ。
 
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 「見切り品」を販売したら、正規品購入客以外で客が増えるはずだ。
 だから大丈夫だ。
 こういう意見もあるだろう。

 だがこの意見は、「コンビニに来る客」の性質を理解していない。

 消費者が使う「コンビニ」というのは、消費者の行動半径で決まる。
「わざわざ近くにコンビニがあるのに、遠くのコンビニに行く客はいない」ということだ。

 結局、「行動半径・行動経路内にある複数の対象から、購入先コンビニを決定する」というのが普通のスタイルだろう。

 したがって、コンビニの場合「立地条件」でほぼ潜在的客数が決定する。
 「安売りにしたからエリア内の人数が増える」というわけでもない。

 結局、購入する人数自体は変わらない。
 結果は、先に述べたとおり正規品であげた利益が見切り品であげた利益にとって代わるだけでしかない。
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 ただ、「行動半径内で複数の店舗」から選択する以上、「見切り品」を販売するという事は、アドバンテージになる可能性はある。
 「見切り品がある間」は「他店舗購入者」が安さによって流れてくる可能性はあるだろう。
 ここで賛同者は『ほら見ろ、やっぱり増えるじゃないか』と高笑いをするかもしれない。
 確かに一時的には増えるだろう。

 だが、『その後』はどうなるだろうか?
 「減ったコンビニ」側はどうするだろうか?

 当然、減った分相手側の「搬入時間」に「廃棄ロス」が大量に発生する。
 この廃棄ロス、そのまま正規販売をして捨てるのだろうか?

 いや違う。相手側も「見切り品販売」を開始するだけだ。
(ここが最重要)

 すると今度は「相手の見切り品」と「こちらの正規品」がぶつかる事になる。
 この時点で、今度は「こちらの正規客」が「相手の見切り品」に流れ出す事になる。

 結局、「総客数」自体は元に戻るのだ。
 だから、まったく得をしない。


『自分の所の見切り品には客が流れてくるが、相手の見切り品には客が流れない』
『見切り販売は自分達だけが行って、相手はできない』
などというのは、客観性を無視した思考なので論外。
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ここまで書いてきて、重要な事は、
「見切り販売をした場合、客数が増える」という安易な考え方が根底にあることだ。

 客数が増えるというなら、その客は「どこから来たのか」
 また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」

 ここをきちんと考えて冷静に判断するべきだろう。
 冷静に考えれば「客数が増える根拠にならない」という事に気づくだろう。

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 では、今「見切り販売は得だ」と言っているオーナーは なぜ「私達は利益が出ている(コストが削減できている)」と声高に言えるのか?

 それは次の理由からだ。

・『自店舗だけ』が見切り販売を行っているから。

 言い換えれば、
 他店舗に対して「自店舗だけ」が抜け駆けで見切り販売を行っているから、だ。

 だから「自分の見切り品」で「他店舗の正規品客」を奪う事ができる。
「自分の正規品客」が「他店舗の正規品」に喰われる事はない。

 結局、自他との間にある「価格差」が利点となっているだけだ。

 だが、これは「自店舗だけが行っている」事が絶対の条件だ。
 全店舗が行うようになれば、その時点でアドバンテージが失われる。

 もしアドバンテージが失われたらどうなるだろうか?
 結局「全店舗が見切り販売を解禁する」となれば、
 今、見切り販売で利益をあげている店舗は、元の「不採算店舗に戻る」だけだろう。

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 今、コンビニは数が多くなりすぎている。
 その中で、各店舗どうし「正規品利益」だけでやりあっているのが現状だ。
 これを見切り販売を導入したとしても

 「見切品によって減少した利益」分だけ、体力がなくなった状態で、他店舗とガチの勝負をするしかない。

 今まで以上にキツイ我慢比べが始まる事だろう。

 その結果、不採算店舗は増大しより多くの店舗が潰れていく。
 それは「今よりも良い状況」といえるのだろうか?

 消費者の側も、行動半径内にあるコンビニが減った時「コンビニを選ぶ権利」を失った時、それでも『良かった』というのだろうか。

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 「価格破壊による我慢比べ」がどれだけ問題を抱えているのか、
 それは、今のスーパーマーケット戦争・シャッター商店街問題を見ていれば、誰にでも判ることなのに、それを助長するがごとき「コンビニの価格破壊」。

 それがどういう意味を持つのか、もっと加盟店側も消費者側も考えるべきだろう。

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 ちなみに、この話、詳しく聞くと公取は「全面解禁」を望み、セブンイレブン側は「部分解禁」に留めたい。ということらしい。

 「全面解禁」は「店舗全員共倒れ」に繋がるから、絶対に認められないのだけどね。
 公取委も『コンビニが提供しているモノ』を理解せず、単なる「販売店」と見ているから、未だに要求しているのだろうね。
(というか、国民が理解もせずに値引きを求めているから、仕方ないのかもしれないが)

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 さて、最後にもう一度書くが、
 この問題、「見切り販売をした場合、客数が増える」という事が前提として必要になる。

 客数が増えるというならその客は「どこから来たのか」
 また「相手方も同様の戦略を取り始めた場合どうなるのか」

 ここをきちんと考えて、反論を述べてもらいたいと思う。

 単に「安くなるからいいんだよ」「俺達消費者には関係ない」という事で、反論するのであれば、今書いてきた「コンビニの経営」に対しての反論じゃないので、それは別に論じる必要があるだろう。

 特に「本部側がロイヤリティーでぼったくっているのが悪い」というような意見については、”ぼったくり”と「見切り販売」は全く異なる話なので(見切り販売をしたところで”ぼったくっている”という状況は変わらない)、まったく「的外れな反論」というしかないだろう。
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ホントは、もっとまとめた文章を書いている最中なのだけど、今、タイムリーな話題なので、ここだけまとめて急ぎアップ。


補足記事「事業モデルの見直し」は得とは限らない(コンビニ考2)
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/07/18/4443449
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参考自記事:
1・コンビニとは何か?を問い直す問題だろう。
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385518
2・「エコ」でなく「エゴ」…消費者の
http://kusuriyasan.asablo.jp/blog/2009/06/23/4386157

「事業モデルの見直し」は得とは限らない(コンビニ考2)2009年07月18日 14時25分14秒

前記事の続き。

さて、ついでに述べておこうと思う。

 見切り販売等を導入する以上、今後、「コンビニシステム」の見直しが必要となってくるだろう。
 実際、多くの識者が同じように発言している。

 おそらく、これを聞くと「ほら良かったじゃないか」と安易に飛びつく人がいるだろう。

 だが、よく考えて欲しい。

 「事業モデルを再構築する」という事は、各店舗も「既存の販売方法」を再構築しなければならない、ということだ。
 「本部だけが変わって、自分達は変わらない」という事はありえない。

 コンビニエンスチェーンは、『利便性の提供』事業モデルに最適化することによって、今の各店舗販売・ネットワークシステムが構築されている。
 これを「再構築」するという事は、『利便性の提供』モデルを変更するという事に他ならない。

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「再構築(リストラクチャリング)」とは、端的に言えば
「新しい方式にする代わりに、古い方式は捨てる」という事だ。

 結果、「今までの店舗経営」自体を「古い方式として」、オーナー自らも見直す必要が生まれるだろう。

 では、今まで、コンビニというスタイルで経営してきた各店舗オーナーは、この「再構築の波」に対応できるだけの能力があるのだろうか。
 新規モデルに対応できなかった、店舗はどうするのだろうか?

 はっきりいって、本部は切り捨てにかかるしかない。。
 ついてこれないのだから仕方がない。当たり前の事だ。
 ついてこれない存在を抱えるのは、企業努力として間違っているのだから。
 そもそも、「コンビニスタイル」の店舗を、新たなモデルに乗せかえる義務など、本部にはない。
 あくまで「コンビニスタイル」の提供しかFC契約では存在していないのだから。

 うまくいきそうな店舗・オーナーには「乗り換えませんか」という話はするだろう。だが、「うまくいきそうにもない」店舗には、「今までどおりコンビニで頑張ってください」としか言わないだろう。

この時、残された店舗はどうなるのだろう。
「対応できないのだから補償をよこせ。」 とでもいうのだろうか、

……今までの方式に反対したのは自分達の方だというのに。

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 昔、「個人店舗」や「土地が余っているから」という事で、自分達は
 新たな「コンビニ」という事業モデルを採用した。

 今度は、「コンビニ」という事業モデルが古くなったから、
 という事で新たな「新モデル」を採用できるのか。

 これが、今後は問われていく。
 当然、問われているのは「本部」ではなく「各店舗の能力」そのものだ。

……対応できなければそこで終わり。
 自己責任という事が、今後さらに要求される事となるだろう。
この記事を多くの人に読んでもらいたい!!そう思ったら『人気ブログランキング』押してください